「とほほ、もう◯◯はこりごりだよ~」という感じで終わるオチは、昭和的なギャグアニメの定番イメージです。
ドラえもんも昭和ギャグ漫画の代表作なのでそんな話がありそうという印象がありますが、「こりごりだよ~」が実在するのか調べてみました。
全話調べてみるとこりごりは思いのほか少なく、理想的な完全形の登場は無し。近いものならこれ!というのはあったので解説します。
ドラえもん作中こりごりリスト。理想形に近いのはどれか?
原作範囲で調べてみました。下記の6回、こりごりしてます。
| タイトル | セリフ | 誰が言ったか | 状況(オチなのか) |
|---|---|---|---|
| かがみの中ののび太 | ぼく、帰る。こんなきびしい世界は、こりごりだい。 | のび太の偽物 (鏡のコピー) | 鏡の世界からのび太の偽物が出てきたが、ママに怒られまくった結果、嫌気がさして言う。(オチ) |
| 一生に一度は百点を… | 百点なんかこりごりだい!! | ジャイアン | 不正で百点を取ったジャイアンが父ちゃんに叱られて言う。(オチ) |
| テレパしい | こりごりだよ。ぶしょうすると、ろくなことがない。 | のび太 | 道具のせいで考えている事が筒抜けになってしまい散々な目に会って言う(オチの手前) |
| 宝星 | もう宝さがしなんて、こりごりさ。 | のび太 | 宝星を探しに行くが失敗ばかりであきらめた時に言う(途中) |
| のび太の海底鬼岩城 | 海底キャンプはもうこりごりというなら、このまま帰ろうかな。 | ドラえもん | ジャイアンとスネ夫が死にかけて、もう嫌になったかを確認する(途中) |
| 野比家は三十階 | 高いとこ、も~こりごり。 | のび太 | ドラの提案で高層ビル化した野比家が、台風で一晩中揺れてフラフラになりながら言う。(オチ) |
思ったより少ないですね。オチ以外も含めてこの数ですので、期待通りの使われ方に絞り込むとさらに減ります。自分のイメージする形は↓
「主人公が」
「当初は望んでいた◯◯だったが」
「調子に乗って自業自得の痛い目に遭い」
「オチで」
「◯◯にこりごりする」
という状況で発する言葉なのかなと思います。
意外とそれらを完全に揃えているのは無いんですよね。惜しいやつだと
・「ジャイアンが」「望んでいたけど自業自得で痛い目に遭って」「オチで言う」(一生に一度は百点を…)
・「のび太が」「望んでいたけどドラのお仕置き的に痛い目に遭って」「オチの手前で言う」(テレパしい)
・「のび太が」「望んでいたけどドラの不手際で痛い目に遭って」「オチで言う」(野比家は三十階)
って感じで、何か一つ欠けている感じです。
まあその中では「野比家は三十階」が一番理想に近いと思えます。
「のび太が高い所に住んでみたいと望んだからドラが道具で実現した。しかしドラの準備が不十分かつ不運が重なって、台風など様々なトラブルに巻き込まれて高い所はもうこりごり」という話で、のび太が調子に乗る要素が無いですが、望んだのはのび太だし薄い自業自得と言う事で、これが一番近いかなと。
似た言葉のこりごりエンドっぽいやつ
調子乗って痛い目に遭うオチはそれなりにあるので、「こりごり」ではないけど別の似た言葉のパターンが無いかも調べてみます。
「もうこりたよー」「うんざりだよー」「かんべんしてー」「たくさんだよー」とか浮かびましたが、自分の見つけたのは下記です。
| タイトル | セリフ | 誰が言ったか | 状況(オチなのか) |
|---|---|---|---|
| 手足七本目が三つ (ねこの手もかりたい) | かんべんしてよ~~。もうこりたから。 | のび太 | つけかえ手袋で好き勝手して散々な目に会い、さらにドラえもんに逆襲される。(オチ) |
| シャーロック・ホームズセット | 探偵ごっこはもうこりたよ。 | のび太 | 探偵ごっこに憧れたが、犯人が自分だったのでこりた。(オチ) |
| わらってくらそう | おもしろい話は、もうたくさんだ!! | のび太 | 楽しい話が聞きたくて道具を使ったら、笑っちゃいけない所でも笑ってしまい散々な目に会う。(オチ) |
この中では、
「手足七本目が三つ」は、体のパーツが増えて最初は喜ぶが、調子に乗って散々な目に会うというパターンなので構造的にはいい感じですが、のび太が最初から欲しがってたというよりはドラが勧めた道具を気に入ったという感じなのでそこは弱いです。
「シャーロック・ホームズセット」は、最初は探偵憧れスタートですが、のび太が調子乗って痛い目に会うのでは無く、道具のおかげで自分のミスに気づき痛い目には合わないという感じなのでその点が弱いです。
「わらってくらそう」はのび太が面白い話が聞きたいという憧れスタートではあるけど、あとは成り行きで散々な目に会うので自業自得感は弱いです。
最も理想形に近いこりごりエンドは?
先に挙げた話を、要素の含み具合で整理するとこうなります。
| タイトル | 主人公が | 最初は望んだ事が | 自業自得で | オチで | こりごりと言う。 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一生に一度は百点を… | ✕ (ジャイアン) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| テレパしい | ◯ | ◯ | △ (ドラのお仕置き) | ✕ (オチ直前) | ◯ |
| 野比家は三十階 | ◯ | ◯ | △ (ドラの不手際) | ◯ | ◯ |
| 手足七本目が三つ | ◯ | △ (ドラの提案) | ◯ | ◯ | ✕ (もうこりた) |
| シャーロック・ホームズセット | ◯ | ◯ | ✕ (自分のミスに気づき) | ◯ | ✕ (もうこりた) |
| わらってくらそう | ◯ | ◯ | △ (成り行きで) | ◯ | ✕ (たくさんだ) |
満点のエピソードは無いですね。その中でも最もイデアに近いこりごりエンドは「野比家は三十階」にしたいと思います。1989年の作品ですから連載19年目という後期にやっと揃ったんですね。
「とほほ」については…?
こりごりの手前につく「とほほ…」があるかも調べてみました。
ドラえもんの中で「とほほ」「トホホ」が出てきたのは1回しか見つけられませんでした。
「ゆめふうりん」の回の冒頭で、のび太の将来の夢がガキ大将だと聞いてパパが「トホホホ」と嘆くシーンがあります。オチじゃないし、パパだし、しっぺ返し的状況でも無いのでいわゆるトホホエンドの文脈として登場した事は無さそうです。
まとめ
という事でドラえもん原作のこりごりエンドを調べましたが、
実在するか?という問いには、
「緩く見れば少ないけどある。しかし全て揃った物は無く、頭に浮かぶドラえもんのこりごりエンド話はイデアに過ぎないのかも」
…という結論です。
ただアニメは調べてないので、そっちにはあるかもしれません。こりごりエンドの定番であるアイリスアウト(丸い黒枠で閉じる演出)とセットでやってそうです。
またこりごりエンド自体はドラえもん独自の概念ではなくギャグアニメ全般のステレオタイプとしてずっと前からあるので、オバQとかにも登場してそうだし、キテレツアニメやA作品、同時期の類型作品(こち亀とか)のどこかには理想的なこりごりエンドがありそうですが、今回はドラえもんの原作調査まででした。見逃しがあるかもしれませんので、ぜひご指摘ください。



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