ドラえもん パラレル西遊記リメイクの可能性は?特殊な立ち位置。内容はリメイクできそうな構成なのだが…?

ドラえもん映画は定期的に旧作をリメイクしています。「のび太のパラレル西遊記」はリメイクされるのでしょうか。結論から言うとリメイク対象外だと思われます。しかしこの作品は他に無い特殊な立ち位置の作品なので例外的にリメイクされる可能性もあるかも…。リメイクの困難点、有望点をそれぞれ説明していきたいと思います。

リメイク対象外の理由

今までのリメイク作品は、藤子・F・不二雄が原作漫画を描いた作品から選ばれており、他人脚本の作品はリメイク例がありません。今作はF先生が描いていないため対象外と考えられます。ただし唯一の立ち位置を持った特殊な一本なので一概にそうとも言えない部分を説明します。

F先生の原作ではない。がノータッチというわけでもない。

ドラえもん映画は毎年公開されますが、今作はF先生が病気のため原作漫画を描く事ができず、代わりに脚本を脚本家のもとひら了が担当し、また芝山努監督らが設定を作りました。そのためこの作品の大多数の要素はF先生以外の人によって作られています
とは言ってもF先生没後の作品(南海大冒険以降)のように完全ノータッチというわけではなく、一部アイデアを提案したりスタッフの作成した内容(脚本、キャラ、美術)の確認などはできる限りしていたようです。このような体制で作られたドラえもん映画はこの1作だけです。

F先生が病気で倒れられたため、原作なしで制作した初めての作品です。ただ、「西遊記の世界にでも行ってみたら?」というアイデアだけはF先生からあらかじめ出されていたので、それを出発点として、もとひら了さんがシナリオを書き、僕がすべての設定を作りました。(芝山努)

引用元:Quick Japan vol.64  映画『ドラえもん』全25作品ストーリー&完全解説 のび太のパラレル西遊記
F先生が考えたという証言がある要素

・西遊記をテーマにする事
・タイトル「パラレル西遊記」
・ラフ案

という事でF先生が監修のような位置にいた作品と言えるので、完全なオリジナル作品とも言えない、1~2割F作品というニュアンスの作品です。完全なF先生原作よりはリメイク順序が弱いのは間違いないですが、わずかに可能性はあるという感じです。

リメイクに前向きな要素

上記は立ち位置としてのリメイク可否でしたが、内容で見た場合はリメイクに向いている要素を多く含んでいる作品です。

ドラえもん映画の王道構成要素は全て持っている。すこしふしぎも。

ドラえもん映画の基本形は「異世界を冒険し、ゲストキャラと絆を深め、敵を倒す」というもので、ワクワク、感動、スカッとのバランスが絶妙です。
今作も西遊記の世界を冒険しゲストキャラのリンレイとの複雑な関係を描きつつ、牛魔王を倒すという王道展開を持っており、マーケティング的な観点でも「やりにくい」という感じは無いと思います。
また時間軸を交差させた展開や、史実や有名物語を別解釈したすこしふしぎ感はF作品らしい内容で、ドラえもん映画らしさにあふれていると思います。

ベースが西遊記なので物語が強い。そこにドラえもん要素がプラス。

西遊記といえば中国の古典的人気小説で、時代を超えて愛されるだけの面白さがあります。
今作はその西遊記の物語が実はドラ達の行動によるものだったという話で、そのため西遊記の物語をなぞるように話が展開します。単に西遊記のエピソードを拝借するのではなくドラえもん的な新解釈がされており、また「史実の三蔵法師の旅」「小説西遊記」「ドラえもんの冒険」という3層の要素が重なって展開するので西遊記を知っている人にも知らない人にも楽しめる構造になっています。

客観的な評価は「平均的な人気で、リメイク済作品には並ぶ」

yahoo映画のF原作映画ドラ17作の一般評価ではほぼ平均の3.9です。可もなく不可もなくという評価ですが、リメイク済の作品と比べた場合、リメイク可能な及第点には達していると言えます。
また個人的な感覚ですが、F先生原作以外の作品に厳しい目が光るドラえもんファンの中でも受け入れられている作品という印象があります。

yahoo映画 映画ドラえもんレビュー評価平均値

 




リメイクに向いてない要素

ドラえもん映画の原則「普段の生活に影響を与えない」を守ってない展開。けど問題視するほどでも無さそう。

ドラえもん映画の原則には「どんな大事件であっても仲間内で解決し、普段の生活圏や一般社会には影響を残さない」というものがあります。今作は、過去の時代に妖怪を放ったために現代が妖怪の支配する世界に変わってしまい、ママや先生も全部妖怪になってしまうという展開があり、ドラえもん映画の原則を守っていない作品と言えます。
とは言うものの、本来と違う歴史を辿った世界を一時的に見たというだけであって、すぐさま歴史修正のために630年の唐(中国)に行きそこで冒険が繰り広げられます。なのでほとんど異世界冒険ですし、最終的に歴史修正によって解決するので先生やママは妖怪になった記憶は無く、そういう意味で結局現実には影響を与えていません。そこまで問題視するほどの事でもないと思います。
この設定に近しいものとしては「雲の王国」でのび太の町が大洪水に巻き込まれる未来のシーンや「緑の巨人伝」で地球が緑兵の侵攻で一面緑化されるシーンなどもあるのでこの程度のはみ出しはこの映画に限った事でもなく、特に問題は無いと思います。

動員:280万は低め。とはいえリメイク判断にあまり影響はない。

動員数は280万人。17作中13位は平均より低いです。前後と比べても下がっておりいい印象の数字ではありません。とはいえリメイク済作品を見るに動員数はリメイク判断にはあまり影響ないので、参考レベルと言う感じです。

まとめ。

総評としては「F先生原作でない以上、リメイクの対象になっているとは考えにくい。しかしファン人気はあるのでストックが尽きた時にはワンチャンあるかも」という印象です。
F先生原作作品であっても様々な理由でリメイク困難と思える作品がある中、(例:ねじ巻き都市冒険記)それよりは可能性あるかもと思います。でもその辺まで行くともう全てが新作になる時期なのかなあという予想の方が個人的には強いです。

 



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