ドラえもんの話で1番被害の大きいオチは何か考えてみる。

ドラえもんは一話完結の短編なので各回のオチの影響は基本的には次回に引き継ぎません。なので大問題(部屋が壊れる等)が起きてもリセットされ次回は何事もなく始まります。では一体何が最大の被害で、リセット無しでは取り返しのつかないオチだろうかと思ったので、色々調べました。

結論。たぶんこの辺りがヤバい。

先に個人的な結論としては

「スネ夫が3ヶ月放置で真珠化」
「栗まんじゅうで宇宙埋め尽くし」
「のび太が異世界に行ったきりで誰も気づかない」

あたりがトップランクだと思われます。他にも色々あって悩みますが、それぞれ理由を書いていきます。

何をもって大変なオチとするか

オチのヤバさを測る指標として下記3観点を使いたいと思います。

問題の大きさ
単純にオチで起きた被害規模の大きさという観点です。車の破壊より家破壊、怪我も大怪我ほどレベルが高いと考えます。

作中解決の困難さ
オチの後に作中で解決してそうかです。
「進化退化放射線源」はパパがタコ型の未来人になるオチですが、道具には戻す機能もあるので自己解決可能で、リセット頼り感は低いです。
※全ひみつ道具を最適利用すればどんなオチも解決できますが、話の流れ外の解決方法は野暮なので無しとします。

結果まで描かれているか、途中か
オチに結果が描かれているか(被害後まで描かれるか、手前で終わるか)です。
「ペンシル・ミサイルと自動しかえしレーダー」は25発のミサイルがのび太達の元に降り注ぐ直前で話が終わります。こういうのは被害規模が予測になるので慎重に判断します。

破壊系

物が壊れる系のオチはよくあります。規模が大きいのは家破壊系で、

「ねむりの天才のび太」のび太の家にダンプが突っ込み部屋破壊
「もどりライト」しずかちゃんの家にクジラが出現して部屋破壊

とかですが、家のサイズ的にスネ夫の家が被害規模が大きくなりがちです。

「大きくなる虫めがね」巨大ロボが暴走してスネ夫の家が破壊(屋根の破壊程度)
「自然観察プラモシリーズ」スネ夫の庭にウルトラサウルスが現れて1階破壊。
「まわりのお天気集めよう」スネ夫の家が屋根以外完全に水没

オチ時点の規模では完全水没が最大ですが、ドラに解除不能と判断されたウルトラサウルスがまだ成長と破壊継続中という点では被害がより大きいのはそっちかもしれません。(ちなみにアニメ版では全損レベルで破壊されています)1

人間被害系

大怪我して終わるオチも多いです。中には「これ生きてないのでは?」というのもあります。

「夜空がギンギラギン」ハンマーで殴るのと同じエネルギーが無数にジャイスネに降り注ぐ。
「四次元若葉マーク」のび太が時速300キロ出る車に弾かれる。
「まあまあ棒」ジャイスネが大爆発に巻き込まれる。
「うでクーラー」パパが凍結してしまう。

等、普通なら致命的なものが多くありますが、マンガ的なタフさで意識がまだあったり、ドラが状況に気づいていて助かりそうという感じです。
そう言うレベルを超えて状況的に絶望的に見えるものだと

「しんじゅ製造アコヤケース」スネ夫が道具に閉じ込められタイムふろしきで3ヶ月経過。全身が真珠化。
「しんじゅせいぞうロボット」ドラえもんが道具に閉じ込められ全身が真珠化。

スネ夫は約3ヶ月かけて真珠化しているのでもうアウトだよな…という感じで、結果もハッキリ描かれるし、作中解消の流れも無いので高ランクです(タイムふろしきは登場するので解決をギリ想定できますが拡大解釈気味です)。

ドラえもんの真珠化は被害は同等で結果も明確。その上ドラえもん自体が真珠化してしまうので道具も出せない状況ですし、こっちの方がリセット頼り度は高いです。(作中解決するにはドラミを呼びに行く等の野暮な解決しか方法が無いです。)

比べるとドラえもん真珠の方がリセット度高いですが、悲惨さはスネ夫真珠かなという感じなのでキャラ被害系のオチだと「スネ夫が3ヶ月放置で真珠化」「ドラえもんが真珠化」を2大トップとしたいと思います。

置き去り系

置き去りになる系のオチもよくあります。
よくあるのが煙突などの高所に置き去りになるパターンで、高いものだと

「どこでもだれでもローラースケート」ジャイスネがアドバルーン上に置き去り
「雪がなくてもスキーはできる」ジャイスネが上空200メートルに置き去り
「逆重力ベルト」ジャイアンが上空1000メートルに置き去り

等があるのですが、オチのコマでドラがタケコプターで助けに来ているのでこれらは作中解決してそうです。

遠方への置き去り系も色々あるんですが、なかなか決め手に欠ける感じです。

「まほうの地図」スネ夫が未知の惑星(謎の宇宙人がいる)に飛ばされる
「世界の昆虫を集めよう」ジャイスネが外国のジャングルに置き去りになる。
「百年後のフロク」レギュラー達が日本各地(松江、大阪、岡山、福岡)に飛ばされる。
「あちこちひっこそう」ママが遠い山に置き去り(誰も気づいてない)

単純な遠さなら「まほうの地図」の未知の惑星がダントツですが、道具自体に帰る機能があるので作中解決してそうな所が弱い所です。
「世界の昆虫を集めよう」のジャングル置き去りは自分で帰る手段は無いのですがオチのコマでドラが気づいているからこの後なんとかなりそうです。
他の話は自然には帰れない状況なのですが、せいぜい日本なのでそこまで破滅的なオチとも言えない…?

やばい効果の長期持続

道具の効果を残したまま終わるオチは結構ありますが、短期間に効力終了する話が多くそれらはリセット頼りは不要です。そんな中、効果が長かったりでヤバいのもあります。効果時間不明な道具ではなく、効果が長期間だと説明があるものだと下記があり、

「ねがい七夕ロケット」スネ夫が「大勢の女の子に嫌われる」という効果が1年続く。
「さよならハンカチ」道具の効果でママがどこかに去り会えなくなる。そのハンカチを無くしてしまう。(ハンカチで取り消さないと永久に帰れない)
「断ち物願かけ神社」のび太が道具の効果でテレビ、マンガ、ひるね、しずかちゃん等を1年絶たれてしまう。

等があります。このままでは話を続けられないのでリセットが必要そうです。
「さよならハンカチ」は永久に帰れないのですが、家族総出でハンカチを探している所で終わるので、見つかれば解決という余地を残しています。「断ち物願かけ神社」はドラえもんが完全にお手上げ状態で終わるのでこちらの方がリセット頼りっぽいです。
この観点では「しずかちゃんと1年会えない」がヤバい効果継続オチの高ランクかなと思います。

10年成長オチ「無人島へ家出」

有名な「無人島へ家出」はのび太が無人島で10年遭難して、オチはタイムマシンとタイムふろしきで元通りに解決しますが、10年の経験記憶は残っていそうなので「のび太が精神的に10年成長オチ」という感じと言えます。被害とは言えないですがそのままにするわけにもいかないのでこれもリセット必要度の高いエピソードと言えそう。

もしかしたら宇宙滅亡「バイバイン」

バイバインは、物(栗饅頭)が5分で2倍になる壊滅的な道具ですが、オチは道具の効果が継続したまま宇宙に放逐するというものです。事態解決したかのような描かれ方ですが「結局宇宙で増え続けているのでは?」という指摘は昔からよくされており、もし効果が持続した場合、有識者によると1日ちょっとで全宇宙が埋め尽くされる試算もあるようです。という事で効果が無くならず続くと仮定すると、バイバインのオチが宇宙滅亡級という事になり最大のヤバいオチという事になりそうです。
ただコレは結果が描かれていないので「効果が消えなかったら」と言う条件付きです。

のび太が異世界放置「うつつまくら」

「うつつまくら」は夢と現実が入れ替わる話でオチの解釈が複数に分かれる話なのですが、解釈の一つ「のび太は似て非なる別世界に行ったまま帰ってこれなくなった」というものがあります(詳細はこちら↓)。

うつつまくらは世界から消滅、ドラえもんも異世界を認識できていないので作中解決は望めず、この場合は「のび太は異世界から帰ってこれなくなったオチ」という事になりリセット頼りにしないといけない怖いオチと言えます。
ただこの話の解釈は「全部夢オチ」という可能性も高い話なので、解釈の一つとして、というレベルです。

ドラえもんが帰るのにリセットされる「ドラえもん未来へ帰る」

「ドラえもん未来へ帰る」は「未来の法改正で時間旅行が禁止になったのでドラえもんは未来に戻りのび太と別れる事になる。」という話です。
ドラえもんがいなくなれば話が続けられないですし、作中解決も不可能。去った後も明確に描かれているので最大級です。しかし来月号は当たり前のように普通の話に戻り、リセットレベルはかなり大きいです。
これは当時の読者に向けた仮の最終回(雑誌「小学四年生」は進学すると読まなくなるので3月に区切りの話をやる)という事情によって生まれた話で、実際は4月号(新しい4年生向け)も普通に連載は続くというものです。
特定の読者に向けては最終回=リセット無しの意志で届けた作品ではあるので他の作品とは少し異なりますが、ある意味ではこれが一番かもしれません。

なおほぼ同様の理由で作られたドラえもんが未来に帰る最終回的な話はあと2個ありますが、有名な「さようなら、ドラえもん」はリセットされず次回の「帰ってきたドラえもん」に繋がるので対象外。もう1つの「ドラえもんがいなくなっちゃう?」も1年後の予告コマで自らの意志で帰って来るドラえもんが描かれますのでリセットを使ってない話と言えます。

※レサレサさんのコメントを元に追記しました。ありがとうございます!

まとめ

という事で色々あげて見ましたが、条件を添えて書くと

確定的な被害系…「スネ夫が3ヶ月放置で真珠化」(しんじゅ製造アコヤケース)
推測込みだが最大規模の被害…「栗饅頭で宇宙埋め尽くし」(バイバイン)
解釈分かれるが作中解決策が無い系…「のび太が異世界に行ったきり」(うつつまくら)
メタ的な理由で作られた話…「ドラえもんが未来に帰りお別れ」(ドラえもん未来へ帰る)

あたりがトップレベルの話なのかな…という感じに思いました。まだありそうなので見つかったら更新しようと思います(今回は原作の範囲だけで調査したので、アニメオリジナルとかにはもっとすごいオチのがあるかもしれません)。

脚注

  1. 「七万年前の日本へ行こう」によるとスネ夫の家は気軽に改築する事があるようなので、骨川家なら「建て直す」がリセット無しにできるのかもしれません。(とは言えウルトラサウルスはどうにも出来ないですが) ↩︎

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コメント

  1. レサレサ より:

    どこ基準かにもよりますが「ドラえもん未来へ帰る」(小四1971年3月号)なんかどうでしょう?

    「未来世界の法改正で時間旅行は禁止され、ドラえもんは未来に連れ戻されて永久にさようなら。」
    ・問題の大きさ→未来世界の法律改正、時間移動という『ドラえもん』の根底設定がアウトになる。
    ・作中解決の困難さ→この回嫌がっているドラえもんが強制送還されているので、彼にもどうしようもないのは確定。
    ・結果まで描かれているか→「机の引き出しは元の引き出しに戻りました」と言い切られた。

    ちなみに余談ですが、翌年の3月号でもドラえもんが帰る話(「ドラえもんがいなくなっちゃう?」)やっていますが、こっちはセワシとドラえもんの自主判断による帰還のため「また来ようと思えば来れる」状況で実際リアル時間で1年後にドラえもんが帰ってくる話(「帰ってきたドラえもん」とは別)が描かれています。

    • ノキケロ より:

      いつも深いコメントありがとうございます!
      確かにあの話はドラえもんが絶対続けられない状況なのに次号では普通の話をやっているという事例ですね。最終回的な事情が生んだ特殊な事例としてこれも大候補の一つですね。

      これも謝辞と共に追記させていただきました。ありがとうございます。

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