遠く離れた親など、iPhoneの使い方が分からない人を支援するための遠隔操作方法を見つけたのでその方法(ApowerMirror&リモデ)を紹介します。
単に位置通知や画面共有というレベルではなく、実際にタップやアプリ操作ができるレベルの方法です。使い勝手や条件は結構厳しく使い所は限定されますが役に立つシーンはあるので知っておくと便利です。
なお遠隔操作は操作される側の協力をもらって初めて実現するので、勝手に人のiphoneを操作するような用途では使えません。安心してください。
結論「ApowerMirror」「リモートデスクトップ」の合わせ技で可能。
結論ですが、下図の状態でiPhoneの遠隔操作が実現できました。実際の映像も載せます。
実際の操作動画です↓。右PCの操作でiPhoneを動かしています。(動画に納めるために隣接してますが、実際は右PCは遠隔地でも操作可能です)
相手のiPhoneを「ApowerMirror」というアプリで同じ室内のPC(左)から操作して、そのPCをリモートデスクトップでさらに操作する事で遠隔地での画面確認&操作します。なぜこんな2段階の構成にしないといけないのかは後述します。
ApowerMirrorでできる事。iPhoneのガチガチ仕様をこんな強引な方法で突破していた。
まず大前提となる「iPhoneを別のPC等から操作」が最難関だと思っていました。Apple公式も提供していないiphoneの遠隔操作を他社に許可するとは考えられず、非公式アプリが入らないiPhoneでは絶対無理だと思っていたのですが、まさかの方法で解決していたアプリがありました。「ApowerMirror」というソフトで行けました。
なるほど、この2つの標準機能をうまく使って強引にPCを「画面ミラーリング機&疑似bluetoothマウス機」とする事でPC上からの操作を実現しているのですね。こんな手があったかと感心します。しかも無料モードあり。
ただこのアプリだけでは課題があり、操作部分をbluetoothに依存している以上、iPhoneのbluetooth圏内でしか操作ができないわけです。「遠い親の家を操作する」はこれだけでは実現できません。
そのPCをさらに遠隔操作すればいいじゃないか!リモデを使う。
しかし前述のようなPCが用意できたならば、遠隔操作はもう一手加えれば対応できます。ApowerMirrorの入ったPCをリモートデスクトップで外部操作すれば本当に遠隔地からiphone操作できるわけです。
リモートデスクトップアプリであれば何を使ってもいいのですが、なるべく相手側の負担が少ない簡単なものがいいと思います。そう考えると一番いいのは、PCの起動さえできれば後は遠隔で接続できる「chromeリモートデスクトップ」がいいと思います。
使い勝手。表示は問題ないが、操作はタップ位置がけっこうズレる。
実際使ってみての感想ですが、画面表示については遅延などを含めても大きな問題ありません。(先程の動画でストップウォッチ表示してますが、遅延は約0.3秒。実際の遠隔地での操作だともう少しあると思います)しかし操作面ではいくつか問題があります。
・初期設定ではホームボタンが押せない。(解決方法あり)
操作機能はあくまでBluetoothマウスの疑似操作なので、マウスでできない操作はできません。致命的になるのはホームボタンを押せない事で、これができないと実質何もできないです。ただしこれはApowerMirrorも回避策を用意しており「AssistiveTouch」を有効にする事でiPhoneの画面タップでホームボタン操作ができるようになります。
・タップ位置がかなりズレる。
Bluetoothマウスをソフト上でエミュレートするという強引な方法で動いているので、タップ位置がけっこうずれます。PC画面上で特定のアイコンをクリックしたら隣のアイコンをタップした事になった。という事が頻発します。ある程度ズレを予測してクリックするような対応をするしかなく、細かな作業はできないと考えた方がいいです。
また無料版は1回10分までという制限があります。つなぎ直せば何度もできるのですが、不慣れな相手に何度も接続作業をやってもらう事になるのは負担になります。その辺は有料版購入すれば解決しますが、頻繁に使う事になったら検討って感じでまずは無料で試すのがいいと思います。
達成条件は結構厳しい。相手の環境がここまで揃ってるか
確かに遠隔地からiphone操作は実現できるわけですが、これを使いたくなるような状況「高齢者の家族や操作に不慣れな人の操作を助ける」という観点で見た場合、そこそこハードルがある条件をクリアする必要があります。
特に4,5,6,が相手側の毎回の負担となるため、はたしてiphoneの操作がおぼつかない人間がこれをちゃんとできるのかという難関があります。
また6の要素があるため何もかもフルリモートでやり切れない事があり、結局相手側に一部操作を依頼する場合もあります。画面共有だけであればFacetimeやline通話でもできるし手軽です。画面見ながら声で誘導できるレベルの小さな困り毎はそっちを使った方が楽かもしれません。
まとめ。使い所は限定的だが「奥の手」として用意しておくのはアリ。
総評としては「万能ではない。画面共有と声の誘導で解決できるレベルの事はこれを使わず解決した方がいい。ただ長いキー入力を必要としたり探りながら問題解決をする場合には便利なので、奥の手として用意しておくのはあり」というレベルです。
実用度で言えば使い所が限られるという印象ですが、絶対に無理だと思っていた他人のiphoneの遠隔操作ができるというのは技術的にはとても面白く、元々ApowerMirrorは初心者支援のためのアプリではないのにギリギリそういう目的にも使えるくらいに操作が簡単というのはすごい事だと思います。マウスの精度が上がれば利用の幅が広がりそうです。
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