ドラえもん特有の問題があって年の考察は色々と大変という話

このブログではドラえもんの色々な考察をしているのですが、年齢や経過年数など「年」に関する考察もいくつかしています。できるだけ正確な数値を求めようとしてますが、これが結構面倒くさい。「厳密には例外があって」とか「こういう別解釈もあるけれど」みたいに注釈だらけになってしまいます。なぜこんなに難しいのか、ドラえもん特有の問題も多いのでこの際いろいろ書いてみます。

のび太が可変学年方式

他の漫画には無いドラえもん特有の要素として「のび太が何年生なのか不安定」があります。
のび太の設定は

・アニメは小五に固定
・漫画は小四を基本としたあいまいな可変学年

という面倒な設定を採用しています。
理由は「学年誌」という雑誌形態に連載していたからで「雑誌名:小学一年生〜小学六年生」という各学年専用の狭い読者層の雑誌と、幼児向け雑誌「よいこ」「幼稚園」にそれぞれ別の話を同時連載していました。で、F先生は各学年誌の読者年齢に合わせてのび太達を描き分けるという芸当をしていました。例えば「小学六年生」には「六年生になったんだから(石ころぼうし)」というセリフがあったり、「小学一年生」掲載話には「一年生にもなって、おつかいもできないんじゃ(ドラえもん登場!)」と描かれてたりします。
ただ基本的には小4で描かれていて、3~5歳向けの「よいこ」「幼稚園」で幼児設定になるわけではないし、あくまで低年齢感のある「異常に幼い小学生」くらいの感じで描かれてます。なので「小1~小6を可変で動いている」という感じの設定です。

なので年特定を考える時に「この話ののび太は何年生と解釈するのか?」が困ります。話の中で「僕は小5」とか言っている話はいいですが、雑誌小学六年生に掲載された話を全部小6と解釈していいのか、基本設定である小4で捉えればいいのかハッキリしないので解釈揺れが生まれる事になります。しかもF先生が決定版として加筆修正しているてんコミ版ではセリフに修正が入って「小学5年生の勉強~」が「小学生の勉強~」になってたり、なるべく小4に寄せようとしている節があるのでやっぱり全部小4でいいのか?という解釈もあり、一本に決めれない問題があります。

出版号の年と、実際の発売日のズレ

ドラえもんが連載していた月刊誌というのは「N月号はN-1月に発売する」というズレが存在します。基本的に掲載号の季節感にあった話が描かれるのですが、1月号に正月話もあればクリスマス話もあり、表示月と発売月どちらかに決めて話作ってるわけでもないようです。なので文脈によって雑誌表記上の年月と発行年月のどちらを採用するか気をつける必要もあります。
問題が頻出するのがドラえもん第1話で、1970年1月号ですが発売日は1969年12月3日頃です。なので「ドラえもんの連載開始年」は1969年、「ドラえもん第1話の年代設定」は1970年となります。(第1話はお正月の話なので1月なのは明らかです)

当時の年月日で書かれている設定は、そのまま使うか変換するか。

ちょっと知られた設定として、のび太の生年月日は「昭和37年8月7日」というものがありますが、これを固定で扱うとのび太の年齢がとんでもない事になるので、そのまま使うのではなく当時の連載年月(昭和47年8月号)から10歳と換算して使う必要があります。一方でドラえもんの誕生日「2112年9月3日」のように掲載年と関係なく固定で扱うものもあり、この辺が計算をややこしくします。

「年齢」「学年」「年」「年度」か

少ないキャラ情報の中で「◯◯年に◯年生」みたいな情報だけ分かってたり年齢だけ分かってたりする事もあります。この場合、年度や誕生日などのタイミングによって1年のズレが発生する事があります。。具体的な例だと「セワシは2125年2月にも小4で存在するし、2125年夏にもいる」というやつで、同じ2125年でも2124年度と2125年度なので、別設定なのか、それとも後者のセワシを小5と考えるべきなのか等で揺らぎがあります。

連載時期で設定が変わる

長期連載なので途中で設定が変わる事もあります。作者が明確に設定変更したものだとドラえもんの来た未来設定で、当初は「111年後(2081年)」だったのが「2124~2125年」になったりしてます。
しれっと変わっているっぽい設定もあります。例えば1973年連載に「のび太パパ36歳1」、1985年連載に「のび太ママ38歳」2という設定がそれぞれ出てきますがママ年上なのかというとそうとは言えず、1981年連載では「パパママ同い年 or パパ年上」という描写3があったりするので、初期はどっちも36歳、後期はどっちも38歳に設定変更があったと考えた方が自然です。こういうのを書かれた通りで解釈するか、補完解釈するかで変わります。

そもそも緩い。

そもそもドラえもんは児童向けギャグ漫画です。F先生はいい加減な事は極力しない人ですが、一話一話を最大限面白く成立させるために細かい設定矛盾は気にしない人でもあります。その場限りの親戚キャラを出しまくった結果「のび太パパの兄弟が多すぎる問題(最低5人。何十人もいる)」とかがあり、単純計算すると長男であるパパは相当年齢が高くないといけないとかになるのですが、その辺はもう気にせず計算するしかないって感じです。

まとめ

という事で、色々面倒くさい事あるんですよーという話です。こういうのが積み重なって、考察の数値が前後1~2年位ズレてる事もあると思います。
ブログ記事にクドクド書くと読みにくいのでサラッと書く事もあるのですが、裏ではなるべく「こうこうこうだから」という所を考えて書くようには努めています。でも記事として整合性を取るために別記事では解釈変えてたりする所もあるので、緩やかに見えてもらえればと思います。(間違い指摘やツッコミは大歓迎です)

脚注

  1. てんコミ2巻「地下鉄をつくっちゃえ」 ↩︎
  2. てんコミ44巻「恐竜の足あと発見」 ↩︎
  3. てんコミ43巻「のび太が消えちゃう?」より。高校卒業間近の学ランパパと、セーラー服を来た多分高校生のママが出会うシーンがあり、パパは高3の時にママも高校生なので、同い年かママ年下と考えられます。 ↩︎

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