このブログではドラえもんの色々な考察をしていますが、年齢や経過年数など「年」に関する考察もいくつかしています。できるだけ正確な数値を求めようとしてますが、これが結構面倒くさい。「厳密には例外があって」とか「別解釈もあるけれど」みたいに注釈だらけになってしまいます。なぜこんなに難しいのか。ドラえもん特有の問題も多いのでこの際いろいろ書いてみます。
のび太が可変学年方式
他の漫画には無いドラえもん特有の要素として「のび太が何年生なのか不安定」があります。
のび太の設定は
・アニメは小五に固定(初期は小四)
・漫画は小四を基本としたあいまいな可変学年
という面倒な設定を持っています。
理由は「学年誌」という雑誌形態に連載していたからで「雑誌名:小学一年生〜小学六年生」という各学年専用の雑誌と、幼児向け「幼稚園」「よいこ」にそれぞれ別の話を同時連載していました。で、F先生は各誌の読者年齢に合わせてのび太達を描き分ける芸当をしていました。例えば「小学六年生」には「六年生になったんだから」、「小学一年生」には「もう、一ねんせいでしょ」というセリフがあったりします。3~5歳向けの「幼稚園」「よいこ」で幼児設定になってるかは不明で、そうかもしれないし異常に幼い小学生かもしれないという感じで描かれますが、少なくとも「小1~6を可変で動いている」という感じの設定です。
なので年を考える時に「この話ののび太は何年生と解釈するか?」が困ります。話で「僕は小5」とか言う話はいいですが、雑誌小学六年生に掲載された話を全部小6と解釈していいのか、基本設定の小4で捉えればいいのか解釈揺れが生まれる事になります。
例えばのび太パパ36歳という設定が登場する雑誌は小学一年生なのですが、こののび太が小1だと仮定すれば基本設定の小4のび太にとって39歳となるし、最初から小4と解釈すれば36歳になる、というものです。
しかもF先生が決定版として加筆修正しているてんコミ版ではセリフに修正が入って「小学5年生の勉強~」が「小学生の勉強~」になってたり、なるべく小4に寄せようと修正しているのでやっぱり全部小4でいいのか?という解釈もあり、決めれない問題があります。
出版号の年と、実際の発売日のズレ
ドラえもんが連載していた月刊誌は「N月号はN-1月に発売する(10月号は9月発売など)」というズレが存在します。基本的に掲載号の季節感にあった話が描かれるのですが、1月号に正月話もあればクリスマス話もあり、表示月と発売月どちらかに決めて話作ってるわけでもないようです。なので「この話を○月の話と見なした場合」みたいな推論の際には雑誌表記上の年月と発行年月のどちらを採用するか気をつける必要もあります。
ドラえもん第1話の説明は注意が必要な事が良くあり、1970年1月号で発売日は1969年12月3日頃です。なので「ドラえもんの連載開始年」は1969年、「ドラえもん第1話の年代設定」は1970年となります。(第1話は正月の話なので1月なのは明らかです)
当時の年月日で書かれている設定は、そのまま使うか変換するか。
のび太の生年月日は「昭和37年8月7日」と描かれた事がありますが、これを固定で扱うとのび太の年齢がとんでもない事になるので、そのまま使うのではなく当時の連載年月(昭和47年8月号)から10歳と換算して使う必要があります。一方でドラえもんの誕生日「2112年9月3日」のように掲載年と関係なく固定で扱うものもあり、この辺が計算をややこしくします。
「年齢」「学年」「年」「年度」か
少ないキャラ情報の中で「◯◯年に◯年生」みたいな情報だけ分かってたり年齢だけ分かってたりする事もあります。この場合、年度や誕生日などのタイミングによって1年のズレが発生する事があります。。具体的な例だと「セワシは2125年2月にも小4で存在するし、2125年夏にもいる」というやつで、2124年度と2125年度なので、別設定なのか、それとも後者のセワシを小5と考えるべきなのか等で揺らぎがあります。
連載時期で設定が変わる
長期連載なので途中で設定が変わる事もあります。作者が明確に設定変更したものだとドラえもんの来た未来設定で、当初は「111年後(2081年)」だったのが「2124~2125年」になったりしてます。
しれっと変わっているっぽい設定もあります。例えば1973年連載に「のび太パパ36歳1」、1985年連載に「のび太ママ38歳」2という設定がそれぞれ出てきますがママ年上なのかというとそうとは言えず、1981年連載では「パパママ同い年 or パパ年上」という描写3があったりするので、初期はどっちも36歳、後期はどっちも38歳に設定変更があったと考えた方が自然にも見えます。こういうのを書かれた通りで解釈するか、補完解釈するかで変わります。
そもそも緩い。
そもそもドラえもんは児童向けギャグ漫画です。F先生はいい加減な事は極力しない人ですが、一話一話を最大限面白く成立させるために細かい設定矛盾は気にしない人でもあります。その場限りの親戚キャラを出しまくった結果「のび太パパの兄弟が多すぎる問題(最低5人。何十人もいる)」とかがあり、単純計算すると長男であるパパは相当年齢が高くないといけないとかになるのですが、その辺はもう気にせず計算するしかないって感じです。別の話で数値が違うみたいのはちょくちょくあるのでその辺はメタな認識に立って制作都合として説明するか、ファンのこじつけ考察として対応するか等で分岐する場合があります。
まとめ
という事で、色々面倒くさい事あるんですよーという話です。こういうのが積み重なって、考察の数値が前後1~2年位ズレてる事もあると思います。
記事にクドクド書くと読みにくいのでサラッと書く事もあるのですが、裏ではなるべく「こうこうこうだから」という所を考えて書くようには努めています。各記事として整合性を取るために別記事では解釈変えてたりする所もあるので、緩やかに見えてもらえればと思います。(間違い指摘やツッコミは大歓迎です)
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