2024更新「のび太の」「のび太と」どっち?映画ドラえもんタイトル判定チャート作成。規則性はあるのか?

ドラえもん映画の題名は「映画ドラえもん のび太の(or と)○○○」で統一されています。
「のび太の」と「のび太と」はどのような規則性で使い分けられているのでしょうか。過去作を全て分類し、規則を元にフローチャートを作成しました。はたして上手く分類できるのか?

まずは結論

結論を先に書きます。下記ルールで現状上手く分けられるはずです。それぞれの要素についての説明と、どの作品がどのフローを通るのかについて紹介していきます。

 




タイトル一覧

まずは全タイトルを見てみましょう。青文字が「のび太の」赤文字が「のび太と」です。横に書かれている項目は分類上の要素です。

No.タイトル助詞「の」所有物体験キャラ舞台宇宙
1のび太の恐竜○?
2のび太の宇宙開拓史
3のび太の大魔境
4のび太の海底鬼岩城
5のび太の魔界大冒険
6のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)
7のび太と鉄人兵団○?
8のび太と竜の騎士
9のび太のパラレル西遊記
10のび太の日本誕生
11のび太とアニマル惑星(プラネット)
12のび太のドラビアンナイト○?
13のび太と雲の王国
14のび太とブリキの迷宮(ラビリンス)
15のび太と夢幻三剣士○?○?
16のび太の創世日記○?○?
17のび太と銀河超特急(エクスプレス)
18のび太のねじ巻き都市(シティー)冒険記
19のび太の南海大冒険
20のび太の宇宙漂流記
21のび太の太陽王伝説
22のび太と翼の勇者たち
23のび太とロボット王国(キングダム)
24のび太とふしぎ風使い
25のび太のワンニャン時空伝
26のび太の恐竜2006○?
27のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜
28のび太と緑の巨人伝
29新・のび太の宇宙開拓史
30のび太の人魚大海戦
31新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜○?
32のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜
33のび太のひみつ道具博物館
34新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜
35のび太の宇宙英雄記
36新・のび太の日本誕生
37のび太の南極カチコチ大冒険
38のび太の宝島
39のび太の月面探査記
40のび太の新恐竜○?
41のび太の宇宙小戦争2021
42のび太と空の理想郷(ユートピア)
43のび太の地球交響楽(シンフォニー)◯?

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呼び名の定義

当記事では説明しやすいようにタイトルの区切りを下記のように呼び分けます。

例:「映画ドラえもん のび太と 奇跡の島 ~アニマルアドベンチャー~」

「映画ドラえもん」…共通タイトル
「のび太と」…のび太タイトル
「奇跡の島」…固有タイトル
「アニマルアドベンチャー」…サブタイトル

この内重要になるのは固有タイトルで、ここの内容でのび太タイトルが決定するわけです。固有タイトルを深掘りしていきましょう。

固有タイトルは大きく分けると4ジャンルある。

固有タイトルは意味で分けると大きく4つに分類する事ができます。

ジャンル説明
体験冒険や、○○記など体験、出来事宇宙開拓史、魔界大冒険
所有物育てた対象や、作った場所恐竜、雲の王国
キャラゲストや敵の団体や勢力鉄人兵団、翼の勇者たち
舞台冒険の過程や目的地の場所大魔境、銀河超特急

またこれは重複する場合もあります。(例:雲の王国は所有物であり舞台でもある)さあ、では規則性を見つけていきましょう。

体験なら「のび太の」

イベント、出来事を意味するものです。「宇宙開拓史」「ねじ巻き都市冒険記」のように「史」「記」「伝」といった物語的な言葉が付くものはそれにあたります。それ以外にも「魔界大冒険」「日本誕生」「宇宙小戦争」というように出来事そのものを表すタイトルもここに含まれます。
この場合は「のび太の経験した物語」という意味と捉えられるので「の」が適切です。
実際この体験に分類されるものは「の」ばかりです。唯一「のび太と緑の巨人伝」だけが例外となりますが、それは後述する「助詞ルール」で解消されます。

所有物なら「のび太の」

所有物というと大げさですが、のび太が育てたもの、作ったものという意味です。「のび太のもの」という意味と捉えられるので「の」が適切です。「恐竜」は育てたピー助の事ですから「のび太の」になります。
雲の王国ものび太が作り上げた領地であり国家なので「のび太の」とした方が適切なのですが、後述する「助詞ルール」の影響を受けて「のび太と」になります。

文章の美しさが優先される。助詞「の」があると「のび太と」

ちょっとここで新たな判断基準を。固有タイトルを意味的に分類してきましたが、文法的な観点で区分けされる場合もあります。
固有タイトルの中に助詞「の」が入るパターンがあります。(例:雲王国、翼勇者たち)
一般に「の」を繰り返すのは文章上美しくないと言われています。映画の顔となるタイトルは入念に考えて決めるでしょうから「の」の繰り返しにならないよう気を使い、「のび太と」で対応しているように思えます。実際「の」を二重利用している例は一つもなく、これは意味的な適切さよりも優先的に適用されるようです。例えば雲の王国はのび太達が作った所有物なので意味的には「のび太の雲の王国」が適切ですが、助詞ルールの方が優先され「のび太と雲の王国」になっています。「緑の巨人伝」も同様で、体験ルールよりも助詞ルールが優先され「のび太と緑の巨人伝」になっています。

キャラなら「のび太と」

キャラは、出会うゲストキャラの団体名や敵勢力の名前の事です。「鉄人兵団」「ふしぎ風使い」などがそれにあたります。
のび太は所属していないのですから、「の」は不適切で「と」しか当てはまらないと言えるでしょう。実際ここは「と」ばかりです。唯一、「恐竜」「新恐竜」はゲストキャラでもあるのに「のび太の」ですがこれは所有物ルールが優先されたからと思われます。

舞台は「のび太の」「のび太と」が入り乱れる。

舞台は、冒険の過程や目的地を示す場所の意味です。「大魔境」「アニマル惑星」などがそれにあたります。
日常とは違う場所なので、意味的には「と」の方が適切なのかなと思います。少なくとも舞台系の全タイトルを「と」にしても意味は成り立ちます。しかし実際のところ前述のルールで振り分けられず残ったタイトルは3作が「と」、5作が「の」で、けっこう「の」があるのです。

「と」
「のび太とアニマル惑星」「のび太と銀河超特急」「のび太とロボット王国」

「の」
「のび太の大魔境」「のび太の海底鬼岩城」「のび太のひみつ道具博物館」「新・のび太の大魔境」「のび太の宝島」です。

この分類ルールをなんとかせねば…!

一応この二つを分ける要素は…宇宙?

残る舞台系タイトルの共通点を探した所…ありました!「のび太の」は地球の範囲が舞台「のび太と」は宇宙が舞台というものです。ただこれは偶然そうなっただけだと思います。宇宙だから「と」を使うという合理的な理由は無いです。無理にこじつけるならば、地球はホームだから「のび太の」で、宇宙はアウェイだから「のび太と」と説明する事もできますが…正直苦しいですね。
とはいえ偶然であっても2024年時点では分類可能な規則性に使える事は確かです。

2024年版 映画ドラえもん判定フローチャート振り分け結果

全ての判定要素について説明が終わりましたので、先程のフローに従い各作品がどこに属するのかを振り分けた結果が下記になります。

いい感じに振り分けられました。助詞ルールや所有物を上の方に持っていかないと正しい振り分けが出来ないので順序も重要です。最後の分岐だけは強引ですね。今は成り立ってますが今後どうなるかわかりません。

(補足)各タイトルのジャンル分け説明

タイトルの分類を考える際に補足が必要そうなタイトルについて下記に説明します。

のび太と夢幻三剣士…最初は所属名なのに途中でメンバーから抜ける
この固有タイトルは珍しく、のび太の所属チームでもある上に途中で変化します。話の序盤ではのび太(ノビタニアン)、ジャイアン(ジャイトス)、スネ夫(スネミス)が「われら夢幻三剣士は天下無敵!!」と言っているので、夢幻三剣士の中にのび太を含む認識で描かれています。所属チーム的な解釈であれば「のび太の(所属する)夢幻三剣士」でもしっくり来ます。
しかし話が進みしずか(シズカール)が合流した後のスパイドル将軍戦ではノビタニヤンは単体で「白銀の剣士」を名乗り、それに続いてジャイトスが「おれたちは夢幻三剣士」と言う説明になっており「白銀の剣士のび太1名と、ジャイトス、スネミス、シズカールの夢幻三剣士」という解釈になってます。、元ネタである「三銃士」でも主人公ダルタニャンは三銃士に含まれず、アトス・アラミス・ポルトスの3人が三銃士と呼ばれてます。なので夢幻三剣士にのび太含まれない事も違和感はありません。
また夢幻三剣士という言葉はキャラでもありますが、ひみつ道具「気ままに夢見る機」に入れたゲームタイトルでもあり、その場合はゲーム名=冒険の舞台とも解釈できるので舞台でもあります。舞台は「の」「と」どちらも使えますので、「と」で問題は起きません。

のび太の海底鬼岩城…元々は別のタイトルだった
舞台は「の」でもいいとはしているものの、「のび太の海底鬼岩城」はそれでも異質で、敵の本拠地に「の」はおかしいだろうという印象がどうしてもあります。連載の初期は「のび太の海底城」というタイトルでした。このタイトルで4話まで進み、5話から海底鬼岩城に改題されます。5話はついに海底人が登場し彼らの住むムー連邦に到着、そこで敵地アトランチスに鬼岩城という報復施設がある事が告げられます。
改題の理由については語られていないので推測しかできないのですが、もしかしたら「海底城」のタイトルの時は敵の本拠地ではなくゲスト側の舞台(ムー連邦)の事を想定していたのかもしれません。そうであれば「のび太の」の違和感は少なくなります。しかし途中で何らかの方針変更があり敵の施設を鬼岩城という名前に決めてタイトルにもそれを反映させた。結果、違和感のあるタイトルになってしまった。という可能性はあります。

のび太のドラビアンナイト
ドラビアンナイトは、アラビアンナイトという物語を経験する話と解釈し、体験に分類しました。しかし夢幻三剣士と同じく物語の世界に飛び込むという意味では舞台とも解釈できます。舞台の場合は「の」「と」両方使えますが、実際のタイトルは「の」なのでどちらで判断しても破綻はしません。

のび太の創世日記
創世日記は、創世の歴史の体験記と解釈し体験に分類しました。創世日記というもの自体はのび太の書いた夏休みの宿題の日記なので所有物とも解釈できますが、体験のニュアンスが強いと思っています。どちらにせよ「の」が適切なので破綻はしません。

のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜
新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜
判定フロー上、サブタイトルは無視して良い要素ですが、補足します。
これらはサブタイトル部分に「の」が含まれています。しかしサブタイトルは文章としては一旦区切られているとの判断なのか、「のび太の」を使い「の」二重利用をしています。新大魔境はサブタイトルの方で「と」と「の」を使う長いものになっており、全体で見ると助詞を3つも含む唯一のタイトルになっています。

のび太の地球交響楽(シンフォニー)
なかなか分類しづらいタイトルが誕生しました。作中の「地球交響楽」とはゲストキャラ、チャペックが作った曲名でした。作曲者がチャペックなのでのび太の所有物ではありません。のび太は演奏する立場なので、これは「体験」カテゴリーと考えて良いでしょう。まあ所有物でも体験でもどちらでも「のび太の」なので、判定フローに問題はありません。

舞台が宇宙かの分類
宇宙と判断したものは「活躍の舞台が遠い星」というものにしています。なので宇宙人が地球にやってきたパターンで母星は回想だけ(人魚大海戦、南極カチコチ大冒険)とかは外しています。鉄人兵団はクライマックスでメカトピア星に行きますがメインは地球なので「○?」にしています。創世日記は舞台が第2の地球なので宇宙とすべきか悩むポイントです。「○?」にしました。地球交響楽は地球の衛星軌道上くらいの微妙な宇宙空間なので「◯?」にしました。ただどちらに判定しても「の」「と」に影響を与える事はありません。

 




終わりに

なんとか分類はできたものの、最後の分岐はこじつけなので、いつか新作映画が出た時に破綻すると思います。とりあえず、試験対策テク的な感じで合理的理由とは別に分類する事はできたので、頭のすみに入れておくといつか役に立つ事があるかも…?
なおこの記事を書こうと思ったきっかけは、カコミスルさんのtwitter投稿漫画を読んで、分類ルールをなんとか作れないかと考えた事でした。ありがとうございます。とてもおもしろいのでぜひツイートも見てください。

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