「欲しいひみつ道具は何ですか?」という質問、ドラえもんのゲスト芸能人がインタビューで受ける事が非常に多い質問です。
これ、シンプルな割に個性を出したりドラえもん愛を表現するには力量が問われるなかなか難しい質問だと思っているのですが時々面白い回答をする人がいます。私はそこに注目しているひみつ道具質問ウォッチャーでして、今回はお笑いタレント渡辺直美がインタビューを受けた時が完璧な模範解答だったのと、別では雑回答で落差がすごかったので感想書いていきたいと思います。
渡辺直美:お見事回答と雑回答の落差がすごい。
「のび太の新恐竜」でナタリー役を演じた渡辺直美の回答は「1つは見事だけどもう1つは雑で落差がすごい」というのが面白いです。まずは見事な回答の方↓。
渡辺:「プニュズ」というブランドの洋服をプロデュースしているので、「きせかえカメラ」も欲しいというか必要です! 「プニュズ」は、いろんな体型の人に楽しんでもらえるように幅広いサイズ展開をしているのですが、それでもみんなはカバーできません。でも、このカメラがあればサイズなんて関係なく、好きな服を作れるわけじゃないですか。きっとF先生は当時から多様性を意識されていたんだろうな。大人の服に憧れる子どもに使ってあげたりしたい!
引用元:ドラえもんチャンネル「ナタリー役声優 渡辺直美スペシャルインタビュー後編」
誰もが知る有名道具を挙げながらも、単に「いろんな服に着替えられる」という一般的な理由にとどまらず「様々な体型にもフィットする」という意外な応用機能1に注目して紹介している点が秀逸です。渡辺直美さん自身の特徴である大柄な体型と、ビッグサイズをターゲットにした洋服プロデューサーとしての「多様な体型の人にファッションを届けたい」という理念とも重なった、渡辺さんにしか当てはまらない個性的な回答になっているのが見事だと思います。
ドラえもんファン目線で見ても道具の表面的な理解に留まっていない所が好印象で、お見事回答部門では私の中では1位の回答だと思っています。後半の社会的配慮のある言葉遣いとかも含めると、本当に面接の模範回答のようになっていていますね。
・有名な道具で一般人でも意味が分かる。
・使い道が平凡な回答ではなく、渡辺直美の個性が十分に表現できている。
・ドラえもんファン目線でも、一歩踏み込んだ道具理解を感じる。
一方、別の箇所でインタビューを受けた時はなんだか雑な回答をしています。
——子どもの頃は、どんなひみつ道具に憧れていましたか?
引用元:コロコロオンライン:2020年08月03日『映画ドラえもん のび太の新恐竜』キャストインタビュー ナタリー/渡辺直美さん
やっぱり、「タケコプター」と……あと、あれですね。「こんにゃくこんにゃく」。
——「ほんやくコンニャク」……?
ああ、普通のこんにゃく2個並べたみたいになっちゃった(笑)。「ほんやくコンニャク」です。あれは今でも使いたいですもん。ほかには「スモールライト」もいいですよね。小さくなって、いろいろな人のお家にお邪魔したかったんです。「友だちは今、何してるんだろうな〜」っていう感じで使いたかったです。
——では、大人になった今、ドラえもんのひみつ道具が使えるとしたら、どの道具を選びますか?
これ、みんなで話したら「それじゃないよ! このひみつ道具だよ!」ってもめるやつですよね(笑)。でも、今一番ほしいものなら、「どこでもドア」。遠いところでも、すぐに行き来できるじゃないですか。でも、実際にあったら休憩する暇なくなっちゃうかな。「明日は大阪行って、沖縄行って、最後に北海道!」みたいな。バカンスだけに使える「どこでもドア」がほしいです(笑)。
あー、でも、「タケコプター」もやっぱりほしい。ほしいものが多すぎて困ります。選べません!
道具名を間違ってたり、道具セレクトも使い道も平凡だったり、最終的に「選べません!」って感じでその場で急いで答える感が強く、下手な部類に位置する回答と言えます。ずいぶんと落差があります。
なんでこんなに差があるのか?
見事な回答記事では他にもどこでもドアにも言及していて、「去年からニューヨークにも家があるので、一瞬で行ったり来たりできるのは魅力的ですね。」みたいな回答もしているので、同じ道具回答でも洗練さが全然違います。
なぜこんなに落差があるのでしょうか。どちらのインタビューも記事公開日は映画公開に合わせた2020年8月前半ですが、この映画は元々は2020年3月公開予定だった映画がコロナ禍で半年延期したという経緯を持ちますので、インタビューが3月頃に収録されたものを公開したのか、8月頃に新録したのかは読み解けません。これは想像ですが、もしかしたら雑な回答の方は3月収録で、そこで納得いかなかった渡辺がリベンジ的に回答を磨いて、次の質問チャンスで披露したとかそんな感じなのではと思えます。
まとめ
実際、渡辺直美さんのドラえもん知識はどれくらいなのでしょうか。根っからのドラえもん博士なら雑回答の方の感じにはならないと思うので、ナチュラルなドラ好きというよりはこのために作り込まれた回答なのだと思います。それでもドラえもんに真摯に向き合って考え出したのだとしたら本当にお見事で、かなり高評価しています。
その他のひみつ道具質問ウォッチャーとして面白かった回答達は下記の記事もありますのでよければ見てください。
脚注
- 原作に具体的な説明があるわけではないですが、「のび太の恐竜」で一枚の海パンの絵でのび太、スネ夫、ジャイアンにジャストサイズの水着に着替える事ができていたのでそのような機能があるという解釈は適切だと思います。また「超大作特撮映画「宇宙大魔神」」でも同じコスチュームをスネ夫からはる夫まで着せていますので、一回きりの例外という感じでもなく、普遍的な機能と見る事ができます。 ↩︎
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