欲しい機能を満たすものが有名メーカーになく、ここに行き着く。
私はスマホをデスク横において色々作業し、またそのデスクもカフェや自由席と決まった場所ではないので、充電がなくなる時用にモバイルバッテリーを欲しかったのです。電源確保できる所ではワイヤレス台として、できない所では単独のワイヤレスバッテリーとして使いたいと思ってました。
条件は
・パススルー充電対応
・ワイヤレス充電と有線充電の同時出力
・出力端子はUSB-CとUSB-Aの両方
・できればマグネット装着対応(Magsafeの公式対応でなくても良い)
・平らに置ける
これらを満たすものが欲しかったのです。いろいろと調べた結果、Ankerの3種類はどれか足りず、Anker PowerCore III 10000 Wirelessだとマグネットが無い、Anker 622だとUSB-Aが無い、Anker 633だとスタンドのせいで平らに置けない…と、あと一歩という所でぴったりのものがなかったのです。そんな中、amazonで調べていると、見つけました。全機能乗ってるやつが。
それが「Magnetic モバイルバッテリー 10000mah VRURC 大容量 マグネット式 ワイヤレス充電対応【15W ワイヤレス出力/22.5W PD QC対応/USB-C双方向 急速充電/PSE技術基準適合】 3台同時充電可能 軽量 薄型 持ち運び便利 コンパクト モバイル バッテリー iPhone 13 / 12 シリーズ最適 (ブラック)」です(長い!amazonネーミングあるあるです)
VRURC。正直よくわからないメーカーです。「1997年に設立され、25年間モバイルバッテリーの設計と製造に注力しています。」とあるのですが公式HPは見つからず素性不明。コピー商品の類もなかったから令和最新系のメーカーよりはマシっぽいかな…というレベルです。商品のスペックそのものを信じてポチってみました。amazonで3990円でしたが、ちょうどクーポンが出ていたので3500円で買えました。
パッケージは…モロにあれですやん
さっそく届いたものを見てきましょう。パッケージは下記のようになります。
……このパッケージの配色、モロにAnkerですやん。モバイルバッテリーのトップメーカーに便乗してる感が強いですが、まあ雰囲気似せてるだけでコピー品というわけではありません。ちなみにAnkerの商品のパッケージは↓
付属品:やたらと充実してるのでお目当てがあればお得
では開封、中身をみていきましょう。
本体以外に付属品がやたら充実しています。
・マグネット接着用の金属リング
・バンカーリング
・USB-A to USB-Cケーブル
・ソフトケース
・ストラップ
その他は説明書と、金属リングを貼る位置合わせガイド紙です。特にバンカーリングとマグネット用リングが付属するのはめずらしいです。金属リングとか単品で買うとそれなりに出費なので、使う予定があればお得です。
外観:プラスチックで全体的にマット。3端子搭載は珍しく使い勝手いい。
外観から見ていきます。
裏も表も全部プラスチックで、全体的にマットな仕上げ、表面は縦線加工で円の箇所はテカっている感じです。特に高級感は無いですが黒一色で統一感はあるのでダサくはありません。ゴム等は使われていないので滑り止めなどはなく斜め置きなどはできませんが、ゴムは劣化しやすい要素でもあるのでオールプラスチックは個人的には好みです。
ここは比較的珍しい仕様!左からUSB Type-Cが入出力、真ん中のUSB Type-Aが出力、右のLightningが入力です。入力系統が2個、出力系統が2個というのは結構便利です。Magsafe風のバッテリーを買う人はiphoneユーザが多く私もそうなのですが、となると当然Lightningケーブルも持っているので出力の時も入力の時もそのケーブル持っていればOKというのは結構便利です。パススルー機能も相まって、充電と給電の状況に応じてでケーブルの組み合わせが融通できるのは旅行先とかでケーブルが限定的な時に助かります。あとストラップホールもありますね。ストラップも付属していますが、私は不要なので外しました。
ボタンは1つ。ワイヤレス充電をする時はここを押してからでないと作動しません。apple純正のように重ねたら自動反応のような事ができないのは残念ですね。まあ誤動作防止の意味もあるのでしょう。また長押しすると低電流機能になったりと、モード変更も兼ねます。
容量を示すインジケータは4段階。この手の商品の標準ですね。あとは充電状態を示すカラーLEDですね。赤と青で知らせます。
重量は簡易計測では189g。iphone 12proくらいの重さです。
性能確認:公称通りの機能を持つが、ワイヤレス充電だけはかなり弱い
やはり重要なのは性能です。特にこういう無名メーカーのはスペック詐欺も心配です。確認しましょう。
・バッテリー容量はちゃんと10000mAhありそう
バッテリー残量0のipad air3を充電してみました。9.720mAhで、モバイルバッテリーが空になった時のipad側のバッテリー残量の増加で判断します。結果59%まで充電できました。一般にバッテリーの出力効率は6~7割と言われているので、これなら概ね10000mAhあると見ていいでしょう。半分とかの容量詐欺はなさそうですね。
・ワイヤレス充電は途中から遅くなる?
公称ではiphoneへの充電速度は7.5W対応との事なので計測アプリ「mister battery」で測ってみた所、最初は7.5W表示で公称通りの速度が出ていました。しかし15分ほどすると充電が遅くなっていき2W近くになりました。バッテリーもスマホも熱を持ち始めたので熱制御なんでしょうか。有名メーカー製だと速度をキープできていたのでここは弱い。寝ている間にじっくり充電とかならいいけど、そういう時は有線だろうしこれは正直厳しいです。このロットだけの不具合なのか、仕様なのか…。
最初は調子よかったが…
10分ちょっとでめちゃ遅くなる。これは使えない。
・有線充電は十分な速度だが公称より低い
USB Type-Aに純正Linghtningケーブルを差して充電した所、最初は20W近く出ていい感じ。しかし10分しない内に10Wあたりで落ち着く。apple純正の20Wアダプタでも13Wくらいだったから、こんなもんなのかな。
・パススルー充電、低電流充電は問題無く動作
USB-Type-C、Lightningのどちらでもパススルー充電はできました。
またワイヤレスの低電流充電はボタンによるモード変更が必要との事ですが、手元にあるAnker Soundcore Life P3のワイヤレス充電は通常モードでも低電流でもどっちでも動作しました。
・3個同時充電は軽いものに限る。
スペック上は「複数ポート利用時は合計最大18W以内」とありました。ワイヤレス充電、USB Type-A充電、USB Type-C充電の3充電を全てiphone SE2で実施した所、全部充電はできました。見ずらいですが全部グリーンです。
しかしその1つ、USB-Type-A出力をipadにした所充電はできず、ipad以外の2個だけが充電状態となりました。ipadをGoproに置き換えてみた場合も同様にGoproだけ充電できませんでした。安定的に使えるのは2個までかなという感じでした。
まとめ:機能全部のせでこの値段は安い。しかしワイヤレス充電の品質に難あり。
という事で色々調べたのですが、商品説明にある性能は一応持っているっぽいという事はわかりました。ただワイヤレスの充電速度が遅すぎます。機能面ではこれだけの要素を全部持つ商品はAnkerなどの有名メーカーでも無く、他のメーカーでも私の知る限りでは無いと思います。付属品も充実しているのでそこまで含めて4000円を切るのはかなり安いのですが、しかしワイヤレス充電が足をひっぱってるので、手放しでオススメは出来ないかなあ。そこを覚悟の上で。
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