あと10年もたない?ドラえもんに迫る「セワシX年問題」を考察

キャラは年をとらないが時代設定は常に現代に設定されているドラえもん。連載開始時は1970年だった現代が今や21世紀。これにより差し迫ってきている問題があります。それは「このまま続くとセワシが孫の孫として生まれるための年数が確保できなくなる」という問題です。これを「セワシX年問題」と勝手に名付けてその年を検証してみました。その結果、なんとあと10年もたないかもという結論になりました。先に図を紹介します。なぜ最初がへこんでるのか、後半の加速はなぜか等、詳細は後述します。




前提の数値達。(のび太25才で子が生まれ、ノビスケ30才で結婚)

のび太は原作では基本小学四年生(10歳)で、常に現代に生きるキャラクターとして描かれています。
生年が1962年と描かれた事もありますがそれはその連載時だとそうなるという話であって、のび太の生年は可変として考えます。作中設定で固定されている値については守るために固定値について考えていきましょう。

セワシの生年:2114年 or ドラえもんの来た年から10年前

のび太の孫の孫セワシの生年は2114年とされています。理由は作中に2125年2月(2124年度)に小学四年生だと記された事、2115年1月19日に赤ちゃんだったセワシの元にドラえもんが来たという設定から逆算したものとなります。公式HPてんコミ探偵団でも採用された説です。またこの設定からセワシの生年は、「ドラえもんが出発した年の10年前」という表現に変換する事もできます。これは後述の初期設定に関係してきます。

のび太の子が生まれる年齢:25歳

のび太の子ノビスケの生年は「現在から15年後」です。「のび太のおよめさん」の回で現在の25年後に行くとそこにはのび太と同年代のノビスケがいて母であるしずかちゃんが二人の区別つかないという話があり、のび太と勘違いされるほどのノビスケ=10歳と判断、生年を逆算するとのび太25歳の時にノビスケが生まれたという事になります。のび太の代替わり年齢は固定なのです。

ノビスケが結婚した年齢:30歳

ノビスケは「現在から45年後」に結婚する事が判明しています。「45年後……」の回で、45年後から来たのび太が「ノビスケもすっかり大きく成長して………。きょうスペースシャトルで月へハネムーンに行ったんだよ。」と発言しており、ハネムーン=結婚と考える事ができます。上記の生年設定と組み合わせるとノビスケの結婚年齢は30歳という事になり、子供(のび太の孫)はそれ以降に生まれたと考えられます。

また今回の計算では簡略化した前提も置きたいと思います。
 ・計算は年単位で行い、月、日のような詳細まで追い込んでいない。
 ・子供が生まれるのは最短でも結婚から1年後と考える。

上記より世代交代(子が生まれる)年齢は、のび太は25歳固定、ノビスケは下限31歳で可変、孫、ひ孫は完全に可変です。前提となる数値が決まりました。さっそく検討していきましょう。

連載時期ごとの世代交代年の変遷。そしてX年の年は。

1970~1974:初期設定(21世紀設定)のおかげで妥当な世代感。

ドラえもんは今では22世紀からやってきたという設定ですが、連載初期の4年間は21世紀からやってきたという設定でした。具体的には「今から111年後」と第1話にあり、連載当時(1970)にとってドラえもんは2081年からやってきた事になります。ドラえもん0巻等にはこの設定がそのまま掲載されてます。

となるとセワシが生まれたのはその10年前(現代から101年後)で連載当時(1970)なら2071年とになります。ノビスケの生年は1985年となり、2071-1985=86年を子、孫、ひ孫と言う3世代に割り振る事になります。
86÷3=28.66歳ですが、ノビスケは下限31歳なので、孫とひ孫は(86-31)÷2=27.5歳で子が生まれる事となり、初期設定は妥当な数値と言えます。また「今から111年後」という設定をそのまま解釈すると、年が繰り上がって1971年連載の時はドラえもんは2082年から来た事になり、常に未来が更新される事でこの年齢は縮まる事なくいつまでもキープされます。

1975:22世紀の設定ができた事で、一時は41.3才高齢パパに

1975年の「ドラえもん大事典」という企画によって、ドラえもんは2112年生まれという設定ができます。それに伴いセワシの生年は「現代から101年後」という可変方式から「2114年」と固定方式になりました。連載が進む毎に未来と現在が縮まっていく形式になったわけです。ノビスケの生年は当時(1975)では1990年となり、2114-1990=124年を割ると、子、孫、ひ孫の3世代が子をもうける平均年齢は124÷3=41.33歳となりました。急に高齢パパ達になりました。しかしこの余裕のおかげでその後50年以上続くドラえもんの設定を維持できたというのはとても幸運な変更だったと言えます。

1976~:50年の連載放送を続けて狭まる3世代の生年。ついに限界を迎える年は…!?

連載放送年が繰り上がるにつれのび太の生年も繰り上がっていき、3世代に割り当てられる年が減っていきます。
2006年になると、(2114-2021)÷3=31で、子が生まれる平均年齢が31歳となりノビスケの限界年齢に到達します。以降はノビスケの年齢を下げる事ができず、孫とひ孫の2世代だけで年を調整していく必要があり、加速します。2018年には孫とひ孫は25歳でのび太と並びます。そして2030年。ついに孫とひ孫の子が生まれる年齢が19歳となります。現在の法律では18歳で結婚可能、そこから子供が生まれると19歳近くなるため、このあたりが限界年でセワシX年となります。なんともう10年も残っていないのです。結婚と出産を同年計算で考えたりすればもう数年の延長は可能ですが、2030年代に限界年が来るのは間違いありません。

今までの内容を図示します。



セワシX年が来たら、設定はどうなるのか

という事で、2030年にはセワシが孫の孫という設定が成り立たなくなる事がわかりました。では、もしそこまで放送が続いていたらドラえもんの設定はどうなるのでしょうか。

おそらくは、何も変えない(未来の年も、のび太が常に現代の存在という事も変えない)のではないでしょうか。つまり設定の破綻は無視する形です。

おわりに

という事で、セワシX年問題に迫ってみました。今後のドラえもんがどのようにこれらを乗り越えていくのか楽しみです。

※今回の考察の前提はなるべく納得感の高いと思われる値で作ったつもりですが、前提数値にはいくつかの別解釈もあります。原作は連載終了し継続しているのはアニメ放送なのだから小学五年生で考えるべきとか、ハネムーンと結婚年はズレる事もあるとか…そういう前提の置き方次第でXデーは数年ズレます。しかしそれでも概ねの年としては合っていますのでそのような前提で見ていただければと思います。また設定値や計算に誤りがあったら指摘いただけると助かります。

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