公式が作っちゃった。短編並べた簡易STAND BY ME「ずっとそばにいてねドラえもん」紹介と感想。

映画「STAND BY ME ドラえもん」は、長編映画でありながら原作の短編をつなぎ合わせる事で出会いと別れの物語に再構築するという今までに無いアプローチで作られています。一度きりしかできない大発明だと感心しています。
しかし一方で、基本的な作りは短編エピソード達を再映像化し並べている形式なので、「これってアニメ版の短編を連続再生してもだいたい同じになるのでは?」という疑問も浮かびます。
そんな中、なんと公式がその通りのコンセプトのDVDを発売した事があります。それが「NEW TV版ドラえもんスペシャル ずっとそばにいてね~STAND BY ME~」です。

その内容紹介と、見た感想を書きたいと思います。

内容は本当に「短編プレイリスト」

内容は、映画の元ネタとなった原作短編のアニメ放送版である
「未来の国からはるばると」
「たまごの中のしずかちゃん」
「しずかちゃんさようなら」
「雪山のロマンス」
「のび太の結婚前夜」
「さようならドラえもん」(帰ってきたドラえもんまで含む)
を映画と同じ順番に並べたもので、一挙再生すると概ね映画の流れのように見れるというものです。
+おまけとして映画「STAND BY MEドラえもん」予告動画も入ってます。

独自要素(編集されていたり、合間に説明が入るなど)は特に無く、単純に過去放送の再収録という内容です。

通しで見ると、ガタガタだけど意外と近い感じになる。

通しで見てみました。どんな印象になるでしょうか。
まずアニメ版は原作からのアレンジがあったりするので、そこの辺はスムーズに繋がらない部分があります。第一話の「未来の国からはるばると」アニメ版はのび太の回想という形にアレンジされているので第一話からしてひっかかる感じにはなります。
それぞれ異なる時期に別のスタッフで作られたものですので演出などもバラバラで、さすがに繋がりは悪く、同じ読後感という感じにはなりません
ただ一度映画本編を見た人が合間合間のブリッジを脳内補完しながら見ると、個別の短編を見ている間は同じような感覚で見れます(まあ同じ話ですしね)ので、意外と総時間の大半の時間は2D板STAND BY MEという趣きになります。

改めてSTAND BY ME映画本編は「もっとなじませて欲しかった」と思う

このDVDを見て改めて感じたのは、映画との大きな差は「ブリッジシーンがあるかどうか」なんだなとも感じました。映画版STAND BY MEは単純な短編ツギハギではないものの、「短編パート進行中はほぼ原作通り。ブリッジシーンで緩やかに繋げる」という感じで作られているので、「各エピソードの出来事が後半に一気に繋がる」とか「積み重なる成長が後半活きてくる」のような事はほぼ起きず(ちょっとはあります)、一本の映画ならではの大きな芯を通す構成にはなってないのだなとも感じました。
最初から全体像を見通した一本の映画物語に作れる状況だったのだからもっとシームレスな、それぞれのエピソードが有機的に絡み合う馴染ませた物語にして欲しかったなあ、じゃないとプレイリスト再生との差異が少ないよなあ、という感想を再認識しました。(総合的にはSBMドラは大好きなんですけどね!)
個人的な印象と希望をなんとなくのイメージ図で描くと下記のようなイメージです。

さらに2もある。

映画は「STAND BY ME ドラえもん2」も存在しますが、こちらも同様コンセプトのDVD「ドラえもんスペシャル ずっとそばにいてね2 ~STAND BY ME 2~」があります。ただし2は元にした原作短編が2(+1)つしかないので、DVDボリュームに満たないので「のび太のおよめさん」「しずかちゃんへのプレゼントはのび太」という映画未登場だけど関連テーマのエピソードが収録されてます。また映画の2は原作に無いオリジナル展開が大半を占めるので、こちらのDVDはプレイリスト再生しても映画と同じ感じにはなりません

まとめ

という事で、「映画と、短編プレイリストを見比べたらどうなるか」という個人的な疑問を解決してくれるようなニッチなDVDがあったので見てみた感想でした。

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