ドラえもん 海底鬼岩城のリメイク可能性は?候補の証言あり。有望な理由と困難要素をそれぞれ紹介。

ドラえもん映画は定期的に旧作をリメイクしていますが「のび太の海底鬼岩城」はリメイクされるのでしょうか。結論から言うとリメイク候補1位と予想される有望な作品だと思われます。その理由について説明をします。
一方でリメイク時に出てくる障壁要素もあります。それも説明していきます。

リメイクが有望な理由

2021年にリメイク化の話があった。

海底鬼岩城がリメイクの候補に挙がっていた事が、宇宙小戦争2021監督の山口 晋氏のインタビューで明らかになっています。

――今回『のび太の宇宙小戦争』のリメイクを選んだのは、監督の意向ですか?

山口 はい、スケジュール的にオリジナルは難しいだろうということになって「じゃあ原作は何がいいですか?」と言われて、自分はすぐに『のび太の宇宙小戦争』を希望しました。

実は『のび太の海底鬼岩城』も勧められたんですが……これ、ネタバレになりますけれど、最後にバギーちゃんが死んじゃうじゃないですか。人間ではないとはいえメインキャラが死ぬことを感動につなげるのは、自分としてはちょっと抵抗がありました。

引用元:『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』監督が明かす「夢の5カ年計画」”. 秋山哲茂. アニメージュプラス

という事で映画化の候補に海底鬼岩城が入っていたようです。
勧めた人が誰なのか(藤子プロなのか、シンエイ動画などのアニメスタッフなのか等)については読み取れないのですが、ここで山口監督が了承してたら制作されていたでしょうし、ドラえもん制作陣側もこの作品をリメイクしたい意向があり、またこのように提案するという事は大きな障壁は無いと判断されているのではないかと思われます。これが最も強い根拠となります。

王道の構成で必要な3要素が全て含まれている。感動要素もある。

ドラえもん映画の定番構成といえば「別世界に冒険に行き、ゲストと出会い、敵を倒す」というもので、これはF先生が前半期(3~6作目あたり)に完成させたパターンです。
それぞれ分解すると「異世界冒険=ワクワク」「ゲストと交流=感動」「敵を倒す=スカッと」の要素となり、なるほどバランスの良い構成だと気付かされます。
例外も数あるもののオリジナル作品も基本これに沿ったものが多く、リメイク済作品も王道型が非常に多いです。
海底鬼岩城はこの王道構成を形作った初期作品で「海底に冒険に行き、バギーや海底人と出会い、アトランチスの暴走を止める」というこの構成は安定的な魅力があります。
また昨今のファミリー映画では感動が求められる比重が高まっておりドラえもんにもその傾向は見られます。その意味でも海底鬼岩城は泣きの要素が強いのでリメイクに向きです。

まだリメイクされていない原作映画の中でここまで王道構成の作品はもうほとんど無く、消去法的な観点からもこれが最有力なのではと思われます。

客観評価:高評価寄りで、何より不評意見が少ない。

yahoo映画のF先生原作の映画ドラえもん17作の一般評価では下は3.4(ねじ巻き都市冒険記)、上は4.2(鉄人兵団など)の範囲ですが、海底鬼岩城は4.1で、客観的に見てもリメイク可能な人気はあると見れます。特にレビューを見ていると、不評意見が少なく大半が「まあまあ面白い」までに収まる点も、製作者側にとってもリスクが低くてリメイクに向いていると思われます。

リメイク時に障壁となる要素も。

基本的にリメイク有望な今作ですが、それでも原作そのまま描くには難しいという部分もあります。そういった障壁要素について挙げていきたいと思います。

アトランチスの「放射能に汚染された地域」という設定

困難レベル:☆☆☆☆

今作の敵地アトランチス連邦は「核実験の失敗で放射能汚染された隔離地域」という設定です。2011年東日本大震災の福島原子力発電所の放射能漏れ事故は10年以上経過した現在でも解決しておらずセンシティブな扱いが求められます。
原因などは全く別ではあるものの、事故により放射能に汚染された地域という設定はこれを連想していしまい、しかもそれが悪の拠点とされているので描写は慎重になる要素です。なんらかの設定変更(未知の毒素にするなど)をしても物語の本質は変わらないので思い切った改変で対応するのかもしれません。

冷戦の歴史情勢を背景とした物語設定が現代的ではない

困難レベル:☆

今作の設定は「海底で争う2つの超大国ムー連邦とアトランチス連邦の軍備拡大の結果ついに鬼核弾という兵器が作られ、使えば地球が滅びるほどの脅威を抱える事になった」というものです。
これは当時は真っ只中であったアメリカとソ連の冷戦を見立てたものになっています。双方軍備拡大の結果、核保有が拡大し地球を滅ぼせるほどの武力を持ちました。戦争が起きたら、何かの間違いがあったら世界は滅びるのではという当時の緊張感を背景にこの作品は作られています。
現代でも核の脅威が消えたわけではないものの、冷戦は1989年頃に終結しソ連も解体。超大国のにらみ合いという状況は薄まったため時事ネタとしては機能しなくなっています。
とはいえ、逆に現代に合わせすぎて別の国際問題に置き換えるという事もしないと思うので、世相との一致は無視して、原作そのままにやる可能性が高いかなと思います。

海底火山噴火の設定が、2022年トンガの噴火を想起(解決?)

困難レベル:☆☆ → ☆(2022/11/26 解決?)

アトランチスのコンピュータ「ポセイドン」が海底火山噴火を攻撃と誤検知し、核攻撃を始めようとするというシーンがあります。
火山噴火が実際にドラえもん放送自粛に影響を与えた例があり、2022年1月15日トンガの海底火山大噴火が発生した時、その翌週1月22日に放送を予定していた「まあまあ棒」が放送見送りになりました。理由はオチが道具の効果でジャイアンが火山のような大爆発をするからで、不謹慎と判断されたからと思われます。
同じ理由が適用されると見送り、もしくは改変が必要になるかもしれません。
なお海底鬼岩城は2021年のリメイク候補に上がっていたわけですが、もしそうなっていた場合、2021年はコロナで延期となり、そして2022年の公開タイミング2ヶ月前にトンガ大噴火が発生という事になるのでまた何らかの影響を受けていた可能性はあります。

【追記】:まあまあ棒の話が放送自粛から約10ヶ月後の2022/11/26にテレビ放送されました。修正を入れた感じはなくセリフにも演出にも火山噴火を含んでいましたがそのまま放送していました。これができるのではあれば海底鬼岩城も現状問題なさそうです。

バギーちゃんのレトロすぎるロボ描写

困難レベル:☆
今作の人気キャラかつキーパーソンとなるバギーちゃんこと水中バギー。このキャラなくして海底鬼岩城は成立しないですが、機械音声が流暢になっている現代において、ロボ然としたカタカナしゃべりは古くさく感じます。
単純にロボでも普通に話すのか、新鉄人兵団のジュド→ピッポのように何か擬人化させた人格を与えるというのも一つの対策かもしれません。
とはいえバギーちゃんは機械ゆえに命令に忠実で融通が利かなかったのがしずかちゃんとの交流を通じて心に近い感情を持ち皆を助けるという所が肝ですし、最終的に特攻で死ぬ事になるので、あまり人間らしすぎても…という所もあるので、この辺りをどう料理するかは見ものです。

海底人エルにもう少し深掘りが必要そう

困難レベル:☆
今作の異世界ゲストはムー連邦の海底人エルです。しかしこのキャラ、かなり後半に登場する上に出会った時点では地上人を信じていないキャラでやっと信じた頃には最終決戦が始まってしまい、なし崩し的に共闘する事になる上そんなに活躍しません。絆というより利害関係の一致で行動を共にする感じになっています。
今作のメインはどちらかというとバギーちゃんという事もあるのですが、エルにも絆を感じるような要素を入れる必要はありそうで、この辺の改変は欲しい所です。

水中描写の作画負担

困難レベル:☆
2021年に山口監督が制作側から勧められた海底鬼岩城を断った理由の一つを下記のように明かしています。

山口 実は『のび太の海底鬼岩城』も勧められたんですが……(中略)
水の中での表現がものすごく大変なんですよ。止まっていても髪や服はなびかないといけないし、立ち方にも影響するでしょうから。いくら「テキオー灯」を浴びているとはいえ、空気中と同じように描くのはさすがにダメだろうな、と思いました。その点、宇宙はまだ楽なんですよ(笑)。

――(笑)、確かに水中描写は骨が折れそうです。

引用元:『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』監督が明かす「夢の5カ年計画」”. 秋山哲茂. アニメージュプラス

山口監督は断ったというよりそれ以上に宇宙小戦争をやりたかったからという感じですが、海底鬼岩城をするにしても難しい要素はあるという意味で上記のような説明を挙げています。作画の難しさがスケジュール面に厳しい影響は与えるようです。ただどこまでこだわるかという話ですし、わさドラでも海中を舞台にした「人魚大海戦」があるので、あのレベルの作画品質ならばドラえもん映画としては問題ないのでこれは大きな障壁ではないでしょう。

(おまけ)「のび太の」問題はどうなる?

これは障壁ではないのですが、リメイク時にどうなるか気になる要素として。この映画タイトル「のび太の海底鬼岩城」は、ファンの間でよく「海底鬼岩城は敵の本拠地なのに「のび太の」はおかしいだろう」とツッコミを受ける事があります。リメイク時に「のび太海底鬼岩城」に改題されるのか、いやいやそのまま行くのか…密かな見どころです。

収益:旧映画は実は歴代最下位だが、そこまで気にしなくてもいい

興行成績の面では動員数は210万人。意外ですがF先生原作の映画17作、さらにオリジナル作など含めた全作で最下位です。とはいえ周辺年の作品には似たような数値もあり、リメイク済作品の動員数を見るとそんなに問題はないと思います。

終わりに

という事で、海底鬼岩城は次期リメイク候補としてかなり上位に上がるという説明を挙げていきました。いくらか変更は必要かもしれませんが、本質は大きく変えずに描かれるのではないかと思います。リメイクされる日を楽しみにしましょう。

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