ドラえもんは猫型ロボだけど人間と同等の扱い。って事は数え方は「人」でいいのでしょうか?でもロボなら「体」ネコなら「匹」な気もするし…という事で作中や公式媒体でどう数えられてきたのか単位の事例をできるだけ調べてみました。
結論
結論ですが、原則「人」です。しかし「体」「台」「匹」と呼ばれた例もあり、使い分けの傾向もありました。詳細を説明します。
ドラえもんを数えるのは意外と難しい
原作でドラ単体をどう数えるか調べたら基本「一人」です。
のび太「ドラえもん一人ぐらいのこしといてもよかったな。」(どくさいスイッチ)
ドラえもん「ぼくも男だ!こうなったらひとりではなしするぞ!」(すてきなミイちゃん)
のび太「ひとりでくよくよしても、しようがないよ。」(好きでたまらニャい)
ドラえもん「ひとりでもやらなきゃいけない?」(スケジュールどけい)
しかしドラの単位というより「単独」の言い換えくらいに思えます。
集団に含まれてる場合も「人」なのですが…↓
のび太パパ「(家族構成は)うちは四人じゃないか」(弟をつくろう)
ドラがのび太に「二人でささやかにお祝いしよう」(もぐれ! ハマグリパック)
ドラ「じゃ五人泊まりますからよろしく」(レギュラー5人の事)(石器時代のホテル)
ただこれは一緒にいる人間側に寄せている状況なので、ドラの数え方とは言えない。
そこで気付いたのですが、ドラを数えるには同類が多数存在するような状況でないといけないのです。その状況が少ないため、外伝作品にも頼る事になります。
「人」
ドラえもんが多数という状態で「人」
ドラを複数数える状況なんてあるのだろうか…と思ったら原作にありました。
ドラ「五人でかかればすぐできる。」(ドラえもんだらけ)
ドラえもんが未来の自分自身を連れてくる話で、5つの異なる時間から集まったドラ達を「五人」と言っています。これはドラえもんの数え方として公式度の高い情報と言えますね。
ドラミと並んだ時も「人」
他のネコ型ロボといえばドラミです。兄妹一緒の時、外伝作品で「人」と呼ばれる例は見つかりました。
博士「実はこの二人の体に流れているオイルが同じオイルなのだ。」(方倉陽二ドラえもん百科)
ドラえもんズも「人」
「ザ・ドラえもんズ」シリーズはドラえもんを含むネコ型ロボット仲間のチームなので単位を知る有用な情報となります。彼らは「人」呼びで「7人組」という感じで言い、何度も出てきます。
数え方専門の学習まんがでも「人」
「ドラえもん はじめての数え方」は物の数え方を学ぶ学習漫画です。藤子プロ協力、小学館発行の学習本で真面目にドラえもんの数え方は?と問われる状況での回答は「人」でした。
のび太「ドラえもんはロボットだしタヌキに似てるから「1匹」だろ。」
引用元:小学館「ドラえもん はじめての数え方」生き物の数え方2
ドラえもん「ぼくはタヌキじゃなーい!!!
ぼくは言葉も話すし2本足で歩いて人間と同じように生活しているから「1人」なんだ。」
学習漫画の中では人外でもミイラやお化け等には「体」、天使や妖精等の親しみやすいものには「人」を使うと説明されており、だからドラは「人」とされてます。公式側の基本姿勢を感じとれる情報です。
以上から、ドラえもんは「人」と呼ぶのが基本形という事のようです。
「体」
ロボットなので「体」もあるのか。調べてみるとありました。アニメですが
「ネコ型の回収、残り数体です。」(決戦!ネコ型ロボットvsイヌ型ロボット)
これはドラを含む同型ネコ型ロボを処分しようとする悪役の発言なので、人間味の無いロボ扱いの呼び方って感じです。
また話ではないのですが、ドラえもん50周年記念の図書カードの外装に書かれたクイズは、ドラが多数描かれて下記の文が書かれています。一応公式品の「体」の例としてみました。
数をかぞえよう!ドラえもんはなんたいいる?
またドラえもん人形を東京タワーに飾る公式イベントでは「80体」と数えてます。↓
ただこれはドラえもんを数えているというよりオブジェとして数えているっぽい。
「台」
「台」と数えている例もあります。
2001年「決定版ドラえもん大事典」では製造経緯の説明があるのですが
ロボット工場で、ネコ型ロボットの1台として、大勢の仲間たちと一緒にたん生した。
と説明されます。工場の製品として扱われているからか「台」となっています。
また1991年映画「ドラミちゃん アララ・少年山賊団!」の22世紀で新型発売の宣伝シーンとして下記があります。
「一家に一台、耳付きスーパードラえもんをどうぞ」
上記のは野比家のドラえもんではないですが、最新機種(?)の説明として紹介されます。「一家に一台」が宣伝文句の定番なので慣用句的な側面が強そうですが、このような販売前の状態は家電扱いを受けるのかもしれません。(「一家に一人」で売り出すと人身売買感が出ちゃうというのもあるのかも)
製造中、販売前のような状況で使われる事が多く、まだ動いていない状態は機械寄りになり「台」になるのかしれません。
「匹」
ネコでもあるので「匹」も使われた事あるでしょうか。原作で「匹」と呼ばれているシーンも一応あるのですが、こんな感じです。
宇宙人「(ドラとのび太を見て)二匹の生物を発見!」(宇宙戦艦のび太を襲う)
これは宇宙人にとって生物扱い(のび太も)なので匹呼ばわりされているだけで、ドラをネコ型ロボと認識した上での数え方ではありません。
また下記のようなものもありますが
犬の兵隊「サル四匹とタヌキ一匹だ。」(のび太の大魔境)
本当にタヌキと勘違いしている(人間もサルと誤認)ので、これもネコ型ロボとしての数え方では無いですね。
また1980年のドラえもんのカレンダーの名前は「101ぴきシールカレンダー」という名前で、ドラえもんが101個のシールになっている商品です。1ドラえもんが「匹」呼びされていますが「101匹わんちゃん」のモジりとして作った商品と思われるので、本気で匹呼びをしているというよりシャレって感じでしょうか。
またアニメでネコ型ロボの集団を「匹」と読んだ例もあります。悪党が大量のドラえもん同型ネコ型ロボを廃棄しようとした時のセリフで
悪党「一匹残らずスクラップにしてやる!さらばネコ型よ!」(決戦!ネコ型ロボットvsイヌ型ロボット)
「一人残らず」としていないのは人扱いしていないという事でしょう(悪党ですし)。しかし「一台残らず」「一体残らず」ではなく「一匹残らず」にした理由は別にネコ扱いしてたからという訳では無さそうです。単に定番の言い回しって感じがしますね。(ちなみに鉄人兵団の敵ロボが消滅した時は「一台残らず」という言葉使ってます。)
という事で、一応ネコ型ロボを「匹」と呼んだ事はあるものの、ネコ型ロボのネコ部分を意識した意味で「匹」を使ったと言い切れる例は見つけれていません。
一話の中で呼び方が4種ある話。使い分けのヒントかも。
2010年9月5日「決戦!ネコ型ロボットvsイヌ型ロボット」では1話の中で4種の単位が登場する珍しい話です。あらすじは「22世紀で悪党がイヌ型ロボで儲けるためにドラえもん含むネコ型ロボを策にハメてスクラップしようとする」で、同型ネコ型ロボが多数登場するのでカウントシーンが多いです。
「ネコ型の回収、残り数体です。」 | 悪党がネコ型ロボを強制回収する時 |
「一家に一台、DG社のイヌ型ロボットで!」 | イヌ型ロボを売ろうとする宣伝 |
「ネコ型ロボットは、子ども達にとって友達であり、そして家族の一人だったんじゃ」 | ネコ型ロボの存在意義を再認識するロボ協会会長 |
「一匹残らずスクラップにしてやる!さらばネコ型よ!」 | 悪党が全ネコ型ロボを壊そうとする時 |
一作に複数出るのは使い分けの大きなヒントになりそうです。脚本の統一不足ではなく、状況によって使い分けている感じがしますね。「体」は悪党が回収品扱いとしているのでロボット色が濃く、「台」は販売前の状態だからより機械に近いのかも。「人」は人間の家族と同等の扱いである表現として登場してますね。「匹」は別にネコ扱いしていた訳では無く、せいぜい「人扱いしてない」レベルの表現ぽい。
おまけ:「号」もある
これは数え方なのか微妙な感じですが、参考情報として。
1980年アニメ「びっくり全百科」では今とは違う設定でドラが誕生するシーンが描かれるのですが下記の説明が入ります。
「いよいよネコ型ロボット第1号が完成する!」
「2112年9月3日ネコ型ロボット第1号ドラえもん誕生」(びっくり全百科)
この時の設定ではドラえもんは最初のネコ型ロボとされており、「第一号」と説明されます。こんなのもあるという事で。
まとめ。状況によって使い分けているけど、基本は「人」多し。
という事で、ある程度傾向に沿った使い分けがあるように見えました。
基本的にはドラえもんを個性あるキャラとしてみなす場合が多いので「人」呼びが通常で、同型機が集まりロボットを強調する状況などでは「体」と呼ぶ場合もある。さらに製造中、販売前などのまだ個性がなく製品感が強い状況では「台」になる場合もある。「匹」と呼ばれる事は基本的に無いが、タヌキ等に誤認されている時はそう呼ばれる事もある。って感じかなと思います。
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