ドラえもん アニマル惑星のリメイクの可能性は?実はわさドラでも特殊な形でリメイク済。有望度と障壁それぞれ列挙。

ドラえもん映画は定期的に旧作をリメイクしています。「のび太とアニマル惑星(アニマルプラネット)」はリメイクされるのでしょうか。この作品は、リメイク候補2位くらいの位置にいると思っています。その理由について説明をします。
一方でリメイク時に障壁になる要素もあるので、そこについても挙げたいと思います。

リメイクが有望な理由

実はわさドラでリメイク済?舞台版アニマル惑星

実はアニマル惑星は特殊な形で既にリメイクされているのです。舞台演劇によるリメイク、通称「舞台版アニマル惑星」です。ドラえもん以外のキャラは生身の人間が演じており(ひみつ道具まで人間が演じている!)舞台流にアレンジされた所はありますが、ストーリーはほぼ旧作に忠実です。(ニムゲの名称がコックローチ団だったり、映画版に準拠しています)

この作品は2008年に上演され2017年にも再演するなど一定の評価を得ています。
ドラえもんだけは着ぐるみで登場し声は水田わさびを起用していますので、ある意味すでにわさドラでリメイクしているとも言えます。
舞台演劇というのは一般的なアニメ映画に比べるとより作家性の強い場所なので売れる売れない以上に、テーマ性を重視できる土壌だと思います。その点で環境問題という強いテーマ性を打ち出しているこのアニマル惑星は舞台向けの内容と言えます。
舞台演劇とはいえ藤子プロらの厳しいチェックは通過しているはずで、2017年にも再度上映している所を見ても「時世的にできない」みたいな障壁は無いと見る事ができます。その点でリメイク可能な作品だと思います。
あとは経営的な判断で「売れそうか。面白いか。」という所が論点になると思います。

収益:動員数は歴代3位。時期がよかったという部分も。

興行成績の面では映画アニマル惑星の動員数は380万人。これはF先生原作の映画17作中3位です。非常に高い成績なので、この観点で言えばリメイク有力と言えるでしょう。
ただ動員数と人気は必ずしも直結しません。この周辺の年はドラえもん映画の人気がかなり高く、前年は歴代1位の日本誕生(420万人)です。ドラえもん映画自体の人気が高い時期だったのでその好影響は受けていると見るべきです。
それでもこの数値からネガティブな要素は読み取れません。

内容:賛否両論ある作品。テーマ派は好むがエンタメ派にはハマらない

内容の評価については、基本的なストーリー部分は平均的な出来ですが、露骨な環境問題テーマ性の評価が「深くて良い」と「説教臭くなってこの辺から苦手になった」に分かれている作品です。

基本形は別世界に冒険に行きゲストと交流し、敵を倒すという定番形式で平均的な面白さはあります。そこに現実地球の環境破壊を挙げつつ、良い未来と悪い未来を象徴するアニマル惑星とニムゲ地獄星を対比して描く事で環境問題をテーマ性に織り込んでいるのがこの作品の特徴です。
一方でそのテーマの描き方が直球すぎて説教臭く、また基本ストーリー部分も最終的な解決が第三者によるものでカタルシスに欠けるなどの理由でこの作品をイマイチとする意見も多いです。

yahoo映画のF先生原作の映画ドラえもん17作の一般評価では下は3.4(ねじ巻き都市冒険記)、上は4.2(鉄人兵団など)の範囲ですが、アニマル惑星は4.0で比較的高い側です。客観的に見てもリメイク可能な人気はあると見れます。

リメイク時に障壁となる要素

基本的にリメイクへの問題は少ない作品で、舞台版の存在が示す通り「これを描くのはマズイ」という要素がほぼ無い点で安心材料が多いわけですが、それでも原作そのまま描くのではなく直したほうがいいシーンも挙げていきます。

露骨な環境問題描写(のび太ママの説教シーン)

困難レベル:☆(省略で対応されそう)

本作は環境問題をストレートに描いており、F先生も後に「少し露骨すぎたかもしれない」旨の発言しているくらいで説教臭さは作者も認めている部分があります。
それが顕著なのは物語中盤にあるのび太ママの環境問題説明シーンで、ストーリー進行を止めて長い説明が挿入されます。(原作だと4ページ、映画だと約2分半)本当にただ「現代で起きている様々な環境問題の説明」でここだけドキュメンタリー番組みたいになっています。
テンポが悪く、エンタメ作品に挿入されると説教臭い印象になり正直うまい演出とは言えません。
おそらくこのシーンはカットか省略対応される事でしょう。近年のわさドラではこういったF原作にある丁寧すぎる説明描写を省略する傾向が強いです。(例:恐竜の1億年前の説明、魔界大冒険の魔法の歴史、日本誕生の神隠しの説明…)
今作でも短い説明に置き換えられるのではないでしょうか。

なお、舞台版ではこのシーンはキッチリやってます。舞台演劇はテーマ性を打ち出しやすい場所ですので、環境テーマはそっちに任せてアニメ映画はエンタメに寄せるという事もしやすそうです。

最後の事態解決が第三者任せ

困難レベル:☆(大幅な改編を希望)

今作の最終決戦はアニマル惑星に攻め込んでくる敵勢力ニムゲ同盟との戦いですが、ドラえもん達の奮闘虚しく敗戦濃厚になり、絶体絶命となった所に第三勢力である連邦警察がやってきて解決するという展開です。伏線はあったものの、ドラえもん本人達で解決しない点はカタルシスに欠けます。

わさドラ映画のリメイク作は自分自身で解決するように改編されている事が多いので(「のび太の恐竜2006」ではタイムパトロールの助けを借りずにピー助を日本まで届ける、「新・のび太の日本誕生」ではラスボスのギガゾンビをタイムパトロールの力ではなく自力で倒す改編が入っています)この作品も同じような改編が入るのではないでしょうか。

とはいえ、テーマ性で見た場合「悲惨な現状を引き起こしたのが地獄星の人間(ニムゲ)なら、それを回復させるのも同じ星の人間(連邦警察)でやるべき。神頼み(ドラえもんで全解決)ではいけない」という意味で連邦警察は無しにはできないです。新日本誕生のようなバランスで勝利まではドラえもん、事後処理は連邦警察に任せるという感じになるのではないでしょうか。

終わりに

という事で、この作品は
 ・収益的な人気は高め
 ・基本ストーリーは王道かつ平均以上の評価(改編で良くできる範疇)
 ・不謹慎となるような障害要素は特に無い(舞台版が証拠)
 ・環境テーマの露骨さは改編余地あり。忠実な舞台版がある分、アニメは大胆な改編できる?
という感じで、比較的リメイクしやすい題材だと思われます。数年以内にリメイクされるのか?楽しみにしていましょう。

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