「ハッピーガチャはやめられない」はタコピーを意識したものだったのだろうか。記憶を残しておく。

2025年7月19日のドラえもん放送は「ハッピーガチャはやめられない」でした。これは2020年に作られた原作に無いオリジナルエピソードで、それを再放送した訳ですが、なぜこのタイミングで再放送したのか。話題になっている絶賛放送中のアニメ「タコピーの原罪」を狙ったものだったのかな?と思った記憶を留めておきたいと思います。

「タコピーの原罪」放送時点で、ドラえもんと絡めた話題性が出ていた。

「タコピーの原罪」は2025年6月28日放送開始時からかなり話題になっていて、メインは話の内容に関する盛り上がりでしたが、それ以外にSNS等で「重いドラえもん」「しんどいドラえもん」等と呼ばれたりしてドラえもん様式なのにかなり重い物語という点でも話題になっていました。
確かに、日常生活に非日常キャラのタコピーが住み込み、特殊な力を持つ「ハッピー道具」が各種登場し、道具を出す演出もドラえもんのように手を挙げて出すなど、ドラえもん型フォーマットという様式レベルの下敷きは確かにあります。また皆の集合場所には3本の土管があったり、悲惨な未来を回避するために過去に戻って修正しようとする点など、共通項を見出せる部分もあります。
とは言え内容はドラえもんとは全く異なる完全に独自の作風と話で、ハッピーガチャ放送前の段階では4話まで進んでました。

ハッピーガチャの話の内容とタコピーとの共通点

そんな時にドラえもん本放送で再放送として流れたのが「ハッピーガチャはやめられない」です。
話の内容は、ハッピーガチャというタコ形のガチャガチャ的ひみつ道具が登場し自分の大切な持ち物と引き換えにガチャを回すとハッピーカプセルが出てきて、ハズレだと小さいタコが出てくるが、当たりだと高級食品や一時的な夢の実現(野球選手になる等)が出るという内容で、それにのめり込んだのび太達がひどい目に会う。というものです。なぜガチャのハズレがタコなのかは特に説明が無くどことなくシュールな作風の話です。原作には無い話です。
という事で、話的にはタコピーと何の関連も無い作品ではあるのですが、「タコの形のキャラが出てくる」「ハッピーガチャ、ハッピーカプセル等、道具名がハッピー◯◯である」という所が思わず気になる所で、この時期にこれを選ぶ事に何か意図的なものを感じる人は、私以外にも結構いたようでした。

最近のドラ運営は、SNS等で話題に乗る姿勢も見られるので狙ったものかも

さて、本題の「ハッピーガチャ再放送は話題のタコピーに重ねたものだったのか?」ですが、正式なアナウンスは無いから憶測の域は超えられませんが、狙ったんじゃないかなと思っています

昨今の本放送での再放送割合は約1/3(2025年は半年45話中14話)で、いつでも過去作を差し込める程度には頻度があり、また現実事件(災害を連想させるとか)の影響で予定変更し別の再放送作品に差し替える事もよくあり、柔軟な放送体制を持っているようです1。一方、再放送作品は原作の人気エピソードや季節性のあるネタ等から選ばれる事が多いので、そう考えるとハッピーガチャは特に季節的な必然性があるわけでもなく、評価の高い人気作という感じでも無い話なので、他に選ばれた理由というのは特に思いつきません。となると、単にランダムではないのなら、タコピー意識という意図を込めたのかも。というのは可能性ある話かなと思えます。

また(アニメと運営が同じかは不明ですが)、最近のドラえもん公式運営はSNSの反応を見たような動きを取る事があり、例えば2024年3月1日に漫画家の鳥山明が亡くなった時は、追悼的な意味で3/12にドラえもんの話の一つ「まんがのつづき」を公式HPに限定公開しました。(この話は鳥山明をモチーフにした島山あららが登場する)。また2024年9月26日に同チャンネルでエスパー魔美「サマードッグ」原作を公開した所、SNSでバズりました。その影響を受けてか、2024年10月2日ドラえもん公式youtubeにアニメ版のサマードッグを限定無料配信するなど、世のトレンドを見極めてフットワーク良く動く運営の姿が最近は見られます。
そう考えると、今回のハッピーガチャもタコピーの話題性に乗ってうっすら共通項のある作品を選んだのではというのはあり得る推論かなと思っています。

タコピー初回放送が6/28で、ハッピーガチャ再放送が7/19ですので、最初の1~2週の人気を察知して放送枠に入れる事はできそうなタイムスケジュールとも思います(詳細な放送計画は知らないので憶測ですが)

補足:タコピーとハッピーガチャはどちらが先か

ハッピーガチャの話の初回放送は2020年9月12日です。タコピーの原罪の原作連載開始は2021年12月10日ですのでハッピーガチャの方が先で、元々作った時にはタコピーの影響下に無い作品である事は明確です。その逆について、タコピーはドラえもん形式の様式的な影響下にはあるかもしれませんが、ハッピーガチャのエピソードは初回放送当時は特に話題になったわけでもないオリジナル話の一つという扱いですので全く影響を与えていないでしょう。
という事で、たまたまパーツレベルで似た要素を持つ話があったから、ちょっと話題に合わせて使ってみようという感じだったのかなと想像します。

まとめ

という事で、単なる再放送の一つを何か意図を持って放送したのではという深読みについて、後世の記録になればと思い残しておきました。単なる個人の感想ですが、何かの役に経てば幸いです。

脚注

  1. 何か時事ネタが発生して不謹慎だと判断された場合は急遽差し替えられる事があります。例えばトンガの海底火山爆発を受けて、ジャイアンが火山爆発する「まあまあ棒」の放送が急遽再放送に置き換えられたり、能登地震津波を受けて、街が壊れ流れる「チョコレートワールドへようこそ」の放送が急遽差し替えられたりといったものです。 ↩︎

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