ドラえもん セワシ問題(大阪理論)を血統的に解決する方法考えた。藤子プロ監修考察をバージョンアップして図解。

ドラえもんが来た目的は、結婚相手をジャイ子からしずかに変えてセワシの未来を良くする事。
そんな事して結婚相手が変わったらセワシが生まれないのではという疑問に作中では「途中の歴史が異なっても最終的にはセワシは生まれるから心配ない」と説明されます。
しかし説明に納得できない読者も多く、私もその一人でした。そんな中、結婚相手を変えてもセワシに影響のない解決策を思いつきましたので紹介したいと思います。結論は下記の図になります。原作での説明や考察本の紹介も交えつつ詳細を段階的に説明します。



セワシ生まれてくる理論(大阪理論)の原作での説明

のび太の結婚相手が変わってもセワシが生まれてくる理論について原作でこう説明されます。

のび太「ぼくの運命が変わったら、きみは生まれてこないことになるぜ。」
セワシ「心配はいらない。ほかでつりあいとるから。歴史の流れが変わっても、けっきょくぼくは生まれてくるよ。たとえば、きみが大阪へ行くとする。いろんな乗りものや道すじがある。だけど、どれを選んでも、方角さえ正しければ大阪へ着けるんだ。」

引用元:てんとう虫コミックス ドラえもん1巻「未来の国からはるばると」

途中の歴史が異なっても最終的には元通りセワシは生まれるという、納得できるようなできないような説明です。通称「大阪理論」とも呼ばれ、「ドラえもん深読みガイド」という小学館作成、藤子プロ監修という本格考察本の中でそう呼ばれた事がルーツです。「東京大阪理論」とも言います。

連載当初に示された家系図。ジャイ子の血が残っていない。

第1話で説明のあった大阪理論。さっそく第2話に図解した家系図が登場します。これが公式の基本形です。
下図は雑誌掲載の家系図の構成はそのままに、ブログ用に血の配分を色分けしたものです。

小学三年生 1970年2月号の家系図を参考に血の配分を独自に色分け、言葉を統一

シンプルに結婚相手がジャイ子からしずかに変わっているだけです。当然ジャイ子の血がなくなりセワシの血統は別物になっています。しかしこれでもセワシは生まれるといっているので、受け入れるしかありません。
意外にも、新旧セワシの違いはジャイ子としずかの血の違いだけで、(他の結婚相手が同じなら)15/16の血は同じです。そしてグレーの部分は詳細不明の部分ですので、カラー部は崩さずに、グレーの範囲をいじればなんとか「つりあいをとる」事ができるかもしれません。
なお当ブログでは以降、ジャイ子と結婚ルートを「旧世界線」、しずかと結婚ルートを「新世界線」と呼びます。

藤子プロ監修本で提唱された案は、ジャイ子の血を獲得するがしずかの問題がクリアできていない。

ジャイ子の血統不足を解決する有名な案で藤子プロ監修の考察本「ドラえもん深読みガイド」で提唱された方法があります。
下図は書籍内の家系図の構成はそのままに、ブログ用に血の配分を色分けしたものです。

ドラえもん深読みガイドの家系図の構成に、独自の色分けと、言葉の統一をした図

新世界線でノビスケがジャイ子の娘と結婚する事でジャイ子の血を取り入れている所がポイントです。これでセワシはジャイ子の血1/16で旧世界線と同じ血を入れる事ができたのです。(ちなみにジャイ子の子供にある5個の小さな丸は、作中に描かれた残り5人の兄弟を現しています。今回の本質には関わらないので一旦無視してください)
しかしそれでも問題は残ります。旧世界線にはしずかの血1/16が含まれておらず血統的にはまだ別です。そこで、この案をバージョンアップし理想的な家系図を作りました。

これが解決策!血統的に同じセワシが生まれる方法。(パートナー入れ替え案)

セワシの血統を同じにする方法、それはパートナー入れ替え案です。図をご覧下さい。

パートナー入れ替え案

ポイントは2点。

1.旧世界線のしずかの結婚相手新世界線のジャイ子の結婚相手が同一人物(夫X)。
2.旧世界線ののび太の息子は、しずかの娘と結婚している。

やってる事は、のび太世代の結婚相手を双方入れ替えているだけで意外とシンプルな対応です。これにより元々セワシにはしずかの血が入っていた事になり、受取る世代がズレるだけで最終的に全ての血の配分が同じになりました。もちろん血統が同じだからといって同一人物になるわけでないのは兄弟などを考えれば当然なのですが、明らかな血の違いというのを排除できている分結構いい感じなのではないでしょうか。
しかもこのルート、のび太の孫の世代で血の配分が同じになるのです。大阪どころか名古屋でゴールしてしまいました。
これでもノビスケ世代は影響を受ける事は変えられません。セワシも最初から「(途中は)いろんな道すじがある」と言っているので、ノビスケ世代には犠牲になってもらうしかないのでしょう。 



おまけ:「夫X」は誰か?出木杉は否定され、もしかしたら「茂手もて夫」?

上記の家系図は夫Xが誰であっても成立するのですが、せっかくなので夫Xは誰ならあり得るのか(のび太以外に、しずかとジャイ子の両方と結婚しそうな男はいるのか?)についても考えてみましょう。

「夫X=出木杉」は否定される。
しずかちゃん視点で考えれば、旧世界線の結婚相手の最有力候補は、もちろん出木杉でしょう。かなり仲がよく、出木杉もしずかちゃんが好きと公言した事があります。旧世界線で結婚してたとしてもおかしくはありません。
しかし新世界線のジャイ子の方で問題があります。決定的なのは、出木杉は新世界線でジャイ子と明らかに違う人と結婚している描写があり(金髪青目に見える外国人風の女性)これが否定材料となります。また出木杉にはノビスケと同年代の息子ヒデヨがいるが、特に姉妹がいる描写がないため娘がいなさそうなのも使えない理由の1つになります。

・「夫X=茂手もて夫」ならばあり得るかも
ジャイ子視点で考えれば、新世界線の結婚相手の最有力候補は茂手もて夫でしょう。ジャイ子は明確に好きと言っていますし、関係も良好なので十分考えられる話です。
旧世界線でしずかちゃんと結婚する可能性があるかですが、作中では両者に全く接点が無いので推し量る事はできません。ただ、茂手もて夫はすごくモテるという設定なのでハイスペックな人物と思われます。(勉強熱心で、編集長を務めるなど優秀要素は作中からも読み取れます)つまり出木杉タイプと思われます。またモテると設定されているわりにはイケメン風ではなく、メガネ姿の「前髪をおしゃれにしたのび太」というルックスです。なので「スペックは出木杉、顔はのび太」と考えれば、しずかちゃんが好きになった2人の要素を併せ持つ茂手もて夫は可能性アリと言えるのではないでしょうか。

おまけ2:ノビスケの結婚相手ユカリ説に対応したバージョン

実は、ノビスケはユカリ(ゆかり)という女性と結婚する設定が存在します。
ユカリは1989年映画「ドラミちゃん ミニドラSOS!!!」でノビスケのラグビーを応援する女の子、プールにいる女の子としてチラっと登場するキャラで、作中では結婚相手である事は描かれません。ただその後1991年「映画アニメ ドラえもん のび太のドラビアンナイト・ドラミちゃん アララ少年山賊団!」という書籍の中に「ノビスケの結婚相手はユカリ」という家系図が登場します。(1989のコロコロに既に載っていたという未確認情報もあり)
F先生原作にはいない映画のオリジナルキャラですが、一応ライセンスされたメディアに載った設定という事になります。

これを考慮して「ノビスケの結婚相手はユカリ」という制限も家系図に追加したいと思います。
単純に「夫Xとジャイ子の娘がユカリ」と解釈すれば先程の家系図でも破綻しないのですが、ユカリにジャイ子要素が全くないのと、ユカリがジャイ子の娘なら同じ作中に出てくるジャイアンの息子(ジャイチビ)と従兄弟って事になるけどあんまり絡んでないあたり、やっぱりジャイ子の娘ではないと考えたほうが自然なので、「ユカリはジャイ子の娘ではない」としたいと思います。
対応は簡単です。のび太の孫の世代でジャイ子の孫娘と結婚するという、1世代遅らせた対応すれば解決します。(図にしました↓)ひ孫で血統が同じになるので合流ポイントがより大阪に近づいたのでこれはこれで納得感ありますね。(これ以上世代を遅らせるとセワシの父親が別人になってしまうのでセワシの生活影響大きそうです。ここらが限界合流ポイントではないでしょうか)

おわりに

連載開始以来、この難問は様々に議論され、様々な解釈が語られてきました。「セワシが嘘をついている説(元々しずかと結婚する説)」「不倫や再婚でジャイ子もしずかものび太の子を生む説」等…。そんな説の1つとして今回のパターンもあると思いますので、この整理した図が誰かの納得解となってくれればと思います。

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